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☆3

───そして、待ちに待った放課後。 自転車を押しながら、結局かわいい店員に釣られた 蓮と佑真も一緒に 4人でパン屋に向かう。 俺たちの後ろを歩く蓮と佑真は、 もっぱら女の子の話で盛り上がっていて パンはどうでもいいようだ。 お前ら・・・パンに失礼だろ・・・・ 俺なんか、楽しみで楽しみで、 授業なんて頭に入らなかったと言うのに。 (↑それは いつもの事・・・って、ほっとけ!) 『な、マジでうまい?』 『うん。うまかったよ~』 俺は、隣を歩く孝之介に学校を出てから 何度も同じような質問を繰り返す。 孝之介はいつも飄々としていて、俺の この面倒くさい性格にも、嫌な顔ひとつ せずに付き合ってくれる。 ・・・・ホント、いいヤツ! 『な、もう近い?』 『ん?うん。』 あー、楽しみー!! 『な、もうちょっと?』 『ん?もうちょっと。』 うおー!楽しみー!! 『な、あと どんくらい?』 『ん?・・・ここ。』 うわーい♪ ・・・・って、え・・・。 ここ? 『『え?!マジで?』』 と、蓮と佑真も俺たちに追い付いて来て 素っ頓狂な声をあげる。 『うん。ここ。』 『・・・・・・・・・・。』 そこには、よく言えば歴史ある赴き・・・ なんだろうが・・・、 一般的には・・・・古ぼけた、 ってゆーか、相当 おんぼろの店が、 ひっそりと 佇んでいた。

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