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☆4
『マジで、ここ?』
『てか、やってんの?』
『ふっるー!』
『きたねー!』
蓮と佑真がブーブー文句を言い出す。
『嫌なら帰れよ。』
と、嫌みを言う俺に対し、
『ホントだね。昨日は暗かったから
ちっさいっていうのしか分かんなかったけど
まあ、いい感じじゃない?』
孝之介は特に気にした様子もなく、
立て付けの悪いガラス張りの扉を
ガタガタ言わせながら開けて、
中に入って行った。
俺も、その後に続く。
『わぁ・・・・・!』
中に入ると・・外観の古さとは違って、
清潔感あふれる店内。
木の棚に籐のカゴが並び、
パンの説明なんかも分かりやすく
書いてあったり、狭いながらも、
配置に気を配ってるのが
分かるし、なにより明るくてキレイ!
このお店の、客に対する
姿勢の素晴らしさ・・・・
みたいなものが感じられる。
後から入って来た2人も、
外とのギャップに驚いたようで、
「おお!」と、感嘆の声を上げる。
『中、キレイじゃん。』
『わ、うまそー。』
『あ、い、いらっしゃいませ・・・!』
俺たちの声に気づいたのか、
パタパタと音がして、
奥から店員が出てきた。
おお 。
確かに、かわいい・・・・。
よっぽど慌てていたのか、息がキレて
顔が赤くなっている。
そして・・・・・、
トレイに山盛りにパンを乗せている俺と
目が合うと・・・・嬉しそうに にっこりと
笑いかけてくれた。
───ドキ////
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