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☆10

あの後、用事があると言う孝之介とは 公園で別れて1人で家に帰ってきた。 部屋に入って、カバンを置いてから ベッドに寝転ぶ。 『あー。疲れた・・・・・』 なんだったんだ・・・。 せっかく、いいパン屋を見つけたのに なんだかモヤモヤする。 孝之介の「好きだ」に動揺してる俺がいるのだ。 っていっても・・・・ 孝之介の様子は あれから至って普通だったから ホントにマジで からかっただけ・・ なんだろうけど。 アイツ 時々、真面目に冗談 言ったりするから 分かりにくいんだよなー 『・・・・・・・・・・・』 あー、やめやめ! やめたっっ!!! そうだ!パンを食べよう! 『よし!』 勢いをつけて、起き上がり パンの袋を持って、リビングへと降りた。 母親はまだ帰っていない。 パートの時間はとっくに終わってるから どっかで寄り道してるか 誰かとおしゃべりでもしてるんだろう。 なんとなく気分を上げたくて、 インスタントコーヒーではなく、 ドリップしてコーヒーを淹れる事にした。 『どれにしようかな~』 買ったパンを全部、テーブルに並べてみる。 うはー。 やっぱ いい~♡ テンションあがるわー♪ 『よし、これに決めた!』 手に取ったのは、 ミルククリームの入ったクルミパン。 色といい、香りといい、大きさといい すべてが俺好み!完璧!素晴らしいっっ! 『うま・・・・っ!』 クルミの風味と食感、優しい味のクリーム もちもちのパン。 味も完璧!! マジ、うまい。 冗談抜きで明日も行こう。 あの店員にも会いたいし! 『・・・・・・・・・・・ん?』 ・・・・・会いたいし? なんで? 自分でも驚くほど自然に浮かんだ想いに 戸惑い、考え込んでいると・・・・ 『ただいまーっ!』 と、なんとも騒がしく母親が帰ってきた。

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