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☆14

───そして、放課後。 やって来ました、あのパン屋! 『・・・ごほん!うぉっほん!・・よし!』 気合い?を入れて、ガタつく扉を開ける。 『あーい、いらっしゃーい。』 『────え?・・・あれ?』 いたのは、あの店員ではなく・・・ おじさん。 どっからどう見ても、おじさん。 ────だ、誰? 入り口で固まっていると、レジの後ろのイスに 座って 新聞を読んでいたおじさんは・・・ 『んー?ケイの友達かー? アイツはまだ学校から帰ってないぞー。』 『え?・・・ケイ?』 ・・・って、あの店員の事? 『ん・・・?違うのか?』 『あ、いや・・・まだ友達じゃ・・・・・』 『ああ。今からなるのか。』 『あ、はい。・・・あ、い、いや・・・////』 ・・・・・って、なに言ってんだ、俺っ//// 怪しさ全開じゃん! こうなったら仕方ない。 いないなら仕方ない。 そうだ、パンだ! パンを買って帰ろう。 よし、オーケー! とりあえず、おじさんの視線をかわして、 トレイとトングを手に取った。 目の前に広がるパンたち。 うはー。絶景! 素晴らしい景色!! そして、うまそう!! うはははー! 今日は何にすっかなー♪ 大好きなメロンパンにトングを伸ばした、その時。 『お父さん、ごめんね! 遅くなっちゃったっっ・・・・!!』 と、あの店員・・・ケイ・・・さんが、 レジの後ろのドアから飛び込んで来た。 『おお、おかえり。 そんなに慌てて帰って来んでも・・・。 ゆっくりで いいんだぞー?』 『いいの。手伝いたいんだから。』 『じゃあ、俺は戻るか。あ、お客さん、 来てるぞ。』 『え?・・・あ!い、いらっしゃいませ! ・・騒がしくして すみません・・っ////』 『あ・・・いえ・・・だいじょぶで・・』 頭を下げられ、平気だと告げようとした時 おじさんが余計な一言を ぶっこんできた。 『ああ、その子。お前と友達に なりたいんだとさ。よかったな~、圭』 『へ・・・・?友・・・達?』 ケイが、俺をまじまじと見てくる。 『・・・え!えっ?あ、あの・・・・ 』 『がんばれよー。青少年。』 ひらひら手を振り 去っていく おじさん。 は、はあ─────!? ちょい、ちょい、ちょい待てっ!! おじさんってば なに言っちゃってくれてんの!? なんなの、この展開!! 俺まだ心の準備が・・・ これっぽっちも出来てないんですけどぉぉ!!

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