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☆15

ガラガラ、ピシャン! 戸が閉まり、微妙な空気の中 取り残された俺(たち)・・・・。 ど、どうしよう・・・ どうすんの、この空気・・・ ケイのちょっと困ったような顔に 軽く凹む。 まあ、そうだよな・・・ いきなり “友達になりたい” なんて 言われたら 誰だって、不審に思うよな・・・。 何て言われても仕方ない・・・。 恨むなら、あの おじさんを恨もう。 あ。あの おじさん、お父さんなんだっけ・・・。 さすがに恨んだら──マズイか。 うーん。 あれこれ考えていたら・・・ 『あ・・・・・あのぉ・・・・』 なんと、ケイの方から話しかけてきてくれた。 『は、はいぃぃ・・・・っっ!』 『あの・・昨日も来てくれました・・・よね?』 『え・・・・あ、はい!来ましたっ!』 『えと・・・あのパン、全部 食べたんですか?』 『あ、もちろん!全部 食べました! もう、全部すっげー うまかったです!』 『あ、そ、そうですか・・・////』 『・・・・・・っ・・・////』 ほわぁ~と嬉しそうな笑顔を向けられて・・・ また心臓がドキドキとうるさく騒ぎ出す。 『ホントにパンが好きなんですね~』 『はい!大好きです!』 やっと和やかな空気になったところで・・ ケイが俺の顔をじーっと見つめてきた。 『・・・・・・っ・・・/////』 ドキッ な、なに・・・////??? なに?なに?なにっ////??? 『あの、高校生・・・ですよね?』 『・・・・・・へ?あ、はい。』 『何年ですか?』 『2年です。』 な、なに?なに?なにっ////? 『あ・・・一緒だぁ。』 『・・・・・・・・・へ?』 『同級生だし、敬語やめない?』 『へ・・・?あ、あー。そうなんで・・・ や、そうなんだ。』 『うん。あ、名前、聞いてもいい?』 『あ、笹野 大和です・・・あ、だよ!』 『あはは。片桐 圭です・・あ、・・だよ?』 『ははっ!タメ口も急には難しいな。』 『・・・うん///。よろしくね、大和くん。』 『大和でいいよ。よろしく、圭。』 よっしゃーっ! 名前 ゲ ────ット!! あとは・・・・・性別・・・ いやいやいや。 ・・・聞けない。 聞けないって! 今、超いい雰囲気なのに・・・ お前、男?女? なんて・・・・聞ける訳がない!!

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