16 / 156
☆15
ガラガラ、ピシャン!
戸が閉まり、微妙な空気の中
取り残された俺(たち)・・・・。
ど、どうしよう・・・
どうすんの、この空気・・・
ケイのちょっと困ったような顔に 軽く凹む。
まあ、そうだよな・・・
いきなり “友達になりたい” なんて 言われたら
誰だって、不審に思うよな・・・。
何て言われても仕方ない・・・。
恨むなら、あの おじさんを恨もう。
あ。あの おじさん、お父さんなんだっけ・・・。
さすがに恨んだら──マズイか。
うーん。
あれこれ考えていたら・・・
『あ・・・・・あのぉ・・・・』
なんと、ケイの方から話しかけてきてくれた。
『は、はいぃぃ・・・・っっ!』
『あの・・昨日も来てくれました・・・よね?』
『え・・・・あ、はい!来ましたっ!』
『えと・・・あのパン、全部 食べたんですか?』
『あ、もちろん!全部 食べました!
もう、全部すっげー うまかったです!』
『あ、そ、そうですか・・・////』
『・・・・・・っ・・・////』
ほわぁ~と嬉しそうな笑顔を向けられて・・・
また心臓がドキドキとうるさく騒ぎ出す。
『ホントにパンが好きなんですね~』
『はい!大好きです!』
やっと和やかな空気になったところで・・
ケイが俺の顔をじーっと見つめてきた。
『・・・・・・っ・・・/////』
ドキッ
な、なに・・・////???
なに?なに?なにっ////???
『あの、高校生・・・ですよね?』
『・・・・・・へ?あ、はい。』
『何年ですか?』
『2年です。』
な、なに?なに?なにっ////?
『あ・・・一緒だぁ。』
『・・・・・・・・・へ?』
『同級生だし、敬語やめない?』
『へ・・・?あ、あー。そうなんで・・・
や、そうなんだ。』
『うん。あ、名前、聞いてもいい?』
『あ、笹野 大和です・・・あ、だよ!』
『あはは。片桐 圭です・・あ、・・だよ?』
『ははっ!タメ口も急には難しいな。』
『・・・うん///。よろしくね、大和くん。』
『大和でいいよ。よろしく、圭。』
よっしゃーっ!
名前 ゲ ────ット!!
あとは・・・・・性別・・・
いやいやいや。
・・・聞けない。
聞けないって!
今、超いい雰囲気なのに・・・
お前、男?女?
なんて・・・・聞ける訳がない!!
ともだちにシェアしよう!