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☆16
性別はおいといて、とりあえず
気になったパンたちをトレイに乗せ、レジへ。
レジを打っている間、さりげなく
その姿を凝視してみる。
顔は・・・かわいい。
男にも女にも見える顔立ち。
色、白いし、まつげ長いし、
唇は・・・ほんのりピンクで・・・かわいい。
男でも女でもおかしくないショートヘア。
声は・・・女の子にしては ちょっと低め。
だけど声の低い女の子もいるし・・・。
胸は・・・ない。ぺったんこ。
だけど胸のない女の子もいる・・もんなぁ・・・。
うーん。
結局 どっちなんだ?
分からん・・・
俺には、分からないっ!
蓮と佑真は、男だって言ってたよな。
孝之介は・・・どうだったっけ?
うーん。
『大和くん?』
『はっ・・!あ、な、何ですか?』
『大丈夫?・・えと、530円です。』
『あ・・・はい。530円!』
『ありがとうございます。』
『はい!・・・・こちらこそっ。』
『ふふ。大和くん、敬語に戻ってる。』
『へ?・・・あ、ホントだ。』
『もう友達なんだから敬語はなし、ね。』
『け、圭も敬語だったじゃん・・・。』
『接客中は敬語になるんです。』
『あー。そういう事。』
『そ。ね、これ今日 食べるの?』
『うん。晩めし前と後で。』
『へー。すごい食欲だね~』
『パンは別腹!』
『あはは。デザート食べる女の子みたい。』
『・・・・女の子』
よし、・・・聞く?聞いちゃう???
今なら、上手いこと聞き出せるんじゃ・・・
『け、圭・・・・・・?』
『・・・え?なに?』
『あの・・・』
聞こうとした まさに───その時
ガタガタと戸が開いて別のお客が入ってきた。
『こんにちはー。』
『あ、いらっしゃいませ。
ちょっと ごめんね?大和くん。』
『あ・・・・・・・うん。』
うはー!タイミング悪ぅ!!
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