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『ふぅん。佑真が俺をねぇ・・・』 『うん・・・なんでか勘違いしてるんだ。』 俺の隣で、いつものように優雅に ミルクティーを飲む孝之介は チラリと俺を見てにっこり笑った。 『・・・笑えるね。』 『笑えねーよ。』 俺が蓮を好きなことがバレても 非常に困るんだけど、 他のヤツ・・・(よりにもよって孝之介!)を 好きって勘違いされてるなんて・・・! なんか、すげー イヤ! 『ま、現状維持だね。』 『んー、それはそうなんだけど なんとか誤解を解きたい・・・』 『言い訳したら余計に怪しまれると思うけど?』 『あー、まぁ・・・それは確かに・・・』 って、孝之介はさあ 勘違いされようが誤解されようが 気にもならないだろうから 俺の この切羽詰まった気持ちなんて 分かりゃーしないんだ。 『はぁ・・・切ない。』 『なら、はぐらかさないで 言っちゃえばよかったのに。』 しれっと言い放つ孝之介。 『言えねーよ。』 言えるワケないじゃん。 『そう?じゃあ、どうしようもないんだから、 悩むのやめたら?』 『・・・・それも 出来ねー。』 そもそも出来るくらいなら悩まない! 『面倒くさい人間だねー。』 『うっさいわ。』 小休止。 それぞれの飲み物を飲む。 『ね、試しに俺に好きって言ってみてよ。』 『───はあ?』 『いつかのために練習。』 と、にっこり笑う孝之介。 『ねーよ、いつかなんて。』 『いいじゃん。吐き出せば?』 『・・・・・・・。』 『ほら。スッキリするかもよ?』 う・・・・。 そ、そうなのか・・・? そうなの・・・かなぁ? 言いたい。 けど、言えない気持ち。 押さえ込んでる気持ち。 いっぺん、吐き出してみるのも いいかも・・・しれない。 俺は、大きく息を吸い込んで・・・ 思いの丈を孝之介に ぶつけてみる事にした。

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