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☆23
『ひぃ・・・・うぐっ・・・ぐびぃ・・・っ』
ん?
なんか、変な音がする。
なんだ?
と、そっちを見ると、お父さんが
顔をぐしゃぐしゃにして・・・・・
泣いていた。
『お、お父さん?』
『お・・・おぅ・・・うぐ・・・っ、よく、
よく言ってくれたぁ・・・っ!』
どうやら感激の涙らしい。
しかし、いい大人がこんなに泣くかね?
まぁ、反対されるよか 全然いいけど。
『圭を頼むぞ・・・・っ!青少年んん!』
ガシッ!
感極まったお父さんが、
俺たちに抱きついてきた。
『────(ひぃぃぃぃぃっっ!!)っっ!!』
お父さんの涙に濡れた頬っぺたが
俺の顔にぴったり くっついてきて
正直、気持ち悪い。
超、気持ち悪いっっ!!
『んぎぃいぃぃっ!ちょっ・・・!お父さんっ!!
涙!涙 拭いてからにしてぇ・・・・っ!』
『・・・え?あ!お父さんっっ!!
やめてよ!離れてっっ!!』
『ふぐぅ・・・、ぐびぃ・・・!
お前らぁ・・・仲良くやれよぉ・・・!』
お父さんは離れるどころか、ますます
くっついてきて、ぐびぐび 泣いている。
あー・・・はいはい。
もう、好きにして・・・・。
キモいけど。
超キモいけど。
俺は圭が好きで、圭も俺が好きで。
これから圭と一緒に居れる。
それだけで、幸せ。
だから、お父さんの濡れた頬っぺたも
幸せの証。
だと、思おう。
ぐびぃ(涙)
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