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*** 大和・side ***
次の日。
放課後、いつものように圭の家へ。
『こんちはー。』
ガタガタと戸を開けて中に入ると、
「青少年ーっ!!」と、
叫びながらお義父さんが
奥から飛び出してきた。
荷物を置いて、振り向く。
───と。
『・・・・・・っ!?』
お義父さんの姿を見た途端
俺は言葉を失った。
だって、
お義父さんは・・・・
紋付き袴姿だったからだ。
『・・・・・・・・っ』
ぷぷっ!
七五三だ!七五三!!(笑)
『な、なんで・・・そんな格好
してるんです・・・か・・・・っ?』
込み上げそうになる笑いを
必死で堪えて聞くと
『青少年のご両親がうちに
来るんだから、ビシッと
正装しないといかんだろーが!』
すごい剣幕で壁に追い詰められた。
『せ、正・・・装・・・・・・?』
『そうだっ!
あー、でも さすがに袴は堅苦しいか・・・・
どう思う?青少年。』
『え。そうですね・・・袴はちょっと・・・』
ダメだよ。
七五三だもん。
俺、当日も絶対 笑っちゃうよ。
今だって気ぃ抜いたら
大爆笑しちゃいそうだってのに・・・!
『そうか?じゃあスーツにするか?』
『ぷ。そ、そうっすね・・・はい。』
『よし!分かった!パリッとスーツだな!』
───と、出てきた時と同じく、バタバタと
忙しなく奥へと戻っていく
お義父さん。
『・・・・・・・・・・。』
・・・・すーつ。
お義父さんが、スーツ・・・・
それも七五三・・・・
ぷぷっ。
つーか。
気づいてしまった、
お義父さんって・・・・
似てる。
うちの親と。
似た者同士の両親と、お義父さん。
案外、気が合うかも。
なんか
ちょっとだけ楽しみになってきた・・・・!
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