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*** 大和・side *** さて。 圭は まだ帰ってないから 1人で店番するか。 カウンターの中に入ると深く深呼吸。 パンのいい香りを鼻いっぱい吸い込んで 思わず顔がニヤける。 ああ、いいなぁ。 パンに囲まれた、この空間。 古くて こじんまりしてるけど、 大好きな場所。 ここに隣に圭がいれば もっと もっと幸せ・・・なのになぁ。 早く帰ってこないかなぁ。 部屋の戸をチラッと見た そのタイミングで 戸がバーンッ!と開いて、「青少年ーっ!」と、 お義父さんが飛び出してきた。 『どうだ?これっ!』 『お?おー。いーと思いまーす。』 今度はスーツ姿のお義父さん。 さすが大人の男、七五三ではなく 普通のおっさん・・・であった。 適当に誉めると、満足したように 自慢げにポーズを決め始める。 そこに、ひょこっと圭が顔を覗かせた。 『ただいま・・・あれ?お父さん。 どうしたの?その格好。』 『おお!圭。これ、どうだ?』 『うん。別にどうも・・・って、あ。 それ、もしかして大和くんの・・・』 『そうそう!挨拶に来られる日のな!』 『あはは・・・うん、いいんじゃない?』 『よし!大和の嫁入り準備だからな!頑張るぞー!』 『よ、嫁・・って・・・、お父さん・・・・』 『よろしくです、お義父さん!』 『・・・や、大和くんまで・・・』 『よーっし!俺に任せとけ!青少年!』 『はい!大和でっす!任せまっす!』 ガッチリ握手。 頼れる お義父さんで、マジ よかった! これで こっちも準備万端。 ちょっとだけ・・・いや、 かなり楽しみになってきたぞっ♪

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