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☆13
*** 孝之介・side ***
──── 蓮が悩んでいる。
机に突っ伏して 落ち込んでいる蓮を
チラリと眺める。
からかうのは楽しいけど・・・
関わるのは面倒くさそう。
ま、大和が居るし・・・・・・いっか。
今は こっちの方が大事だし。
俺はスマホの画面に目を戻す。
メールの相手は、もちろん
重森先生 だ。
年上なのに、可愛い
俺の・・・大切な人。
学校では 顔は見られても話は ほとんど出来ない。
数学検定が終わった今、
担任でも教科担当でもない先生と
やたらと一緒にいるのは とても不自然だから。
あんまり気にしなくても
いいのかもしれないけど・・・
変にリスクは背負いたくない。
だけら、昼休みは先生と ゆっくり
コンタクトをとれる貴重な時間。
内容は 他愛もないものだけど。
大事な時間。
「今週も泊まりに来る?」
「もちろん。」
「どこか出掛ける?」
「それもいいけど家で まったりしたいかな」
「分かったー。家でまったりしようね♪」
「しっぽりでもいいけど?」
「うわー!おっさんだよ?その発言(笑)!」
「(笑)って・・・。W だよ。おっさん。」
「俺、おっさんだもーん。」
「おっさんは「だもん」とか言わないし」
こんな なんて事ない やり取りが楽しい。
思わず口元が綻ぶ。
と、その時・・・「きゃああああ!」と
女の子の黄色い歓声がして
何事か・・・と、顔を上げると
キスでもしそうな至近距離で
顔を寄せてる蓮と大和。
それを呆然と見つめる佑真。
そして、佑真が教室を飛び出し、
続いて蓮が追いかけていくのが見えた。
あらら。
倦怠期じゃなくて 修羅場に
なっちゃったか。
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