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☆16
*** 孝之介・side ***
次の日。
放課後、蓮と離れている
ちょっとの隙に
佑真に声をかけた。
何か 悩んでるなら屋上に、って。
佑真は驚いた顔をしてから・・・
少し困ったような顔になって
それでも、控えめに コクンと
頷いて見せた。
─── そして。
『佑真』
『・・・・・孝之介』
佑真は、先に屋上に来ていた。
フェンスにもたれ、
ぼんやり空を見上げていた佑真に
佑真の好きな缶コーヒーを渡す。
『はい。』
『あ、ありがと・・・・』
2人で空を眺めながら コーヒー
(俺はミルクティー)を飲む。
『なんか、孝之介と こうやって
話すの・・久しぶりだな。』
『そうだね。佑真と蓮が
くっついて以来、だね。』
『・・・・・・・っ』
「蓮」って言葉に ビクリと反応する佑真。
『話してみたら?
楽になるかもしれないよ?』
『・・・・・相変わらずだな、お前。
なんでも お見通し かよ。』
佑真はコーヒーをひと口飲んで
大きくため息を吐 く。
『なんでもっていうのは言い過ぎ。
何かあったのは分かるけど
何があったのかは知らないよ?
だから話してみてよ。』
『う、うーん・・・。
え、えっと・・・・
何があった・・・か・・・・・///』
話そうとして、何を思ったのか。
佑真の顔が
みるみる真っ赤に染まっていった。
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