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☆25
***** 佑真・side *****
『いっ・・・てぇ・・・』
ゴツンと鈍い音がして・・・
顔を歪めた蓮が 頭を擦りながら
起き上がる。
『あ・・・・・ご、ごめん・・・|||||』
『いや・・・大丈夫。』
『ごめん・・・』
『うん・・・・』
『・・・・・・・・』
そこからは、もう ろくに会話もなく
一緒に居るのがツラくて
重い空気を残したまま
逃げるように家に帰った。
そして・・・・
その日を境に、ギクシャクしている。
蓮は、俺を気遣ってなんだろう、
今までと同じように
話してくれる。
今までと同じように
抱きしめてくれる。
今までと同じように
キスも・・・・・。
蓮は優しい。
蓮は大人だ。
だけど・・・・俺は・・・
自分でもイヤになるくらい
優しくもなく、子供で。
蓮の言葉、仕草に
つい、身構えてしまって
必要以上に ビクビクしたり
みっともなく アワアワしたり
今までと同じようには出来なくて
蓮に困った顔をさせてしまう。
それが、ツラい。
このままじゃ
蓮が離れていきそうで、怖い。
だけど どうしていいのか
分からない。
俺は どうしたら いいんだろう・・・
悩んでいた その時、
孝之介が来たんだ。
前みたいに
悩んでる俺のところに。
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