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☆27

***** 佑真・side ***** 『ああ~・・・・・・・・』 もう、ダメだ・・・・ やっぱり 俺のせいだ・・・ 俺が 蓮をその気にさせちゃったんだ。 それなのに、俺・・・・・ 膝に力が入らなくなって 立ってられなくて、 その場に へたりこむ。 もうヤだ・・・・ 消えてしまいたい。 自分の体をギュウッと抱きしめ 小さくなっていると 背中を擦る 優しい感触・・・・。 孝之介も しゃがんで 俺の傍に座ったのが分かる。 『佑真が 落ち込む事ないって。 断然、悪いのは蓮の方だし。』 慰めてくれるのは嬉しいけど。 『そんな事ない・・・蓮は悪くない。 全部、俺・・・・・・俺のせい・・・・』 悪いのは俺なのに・・・ 優しくされると、泣きたくなる。 そんな弱い自分が嫌で もっと強く自分を抱きしめる。 『相手が暴走したら受け入れる方が 怖くなるのは当たり前だよ。』 『でも・・・・・・・』 『佑真。佑真は自分の気持ちを もっと、ちゃんと 蓮に言った方がいい。』 『・・・・・・・・・・・』 『どんなに仲が良くても、 気持ちが通じあってたとしても 言葉にしなきゃ分からない事って いっぱい あるよ?』 『・・・・・・・・・・』 『お互い 好きだとしても、 それを言わなきゃ・・・・相手に それを きちんと 伝えなきゃ・・・分からないんだ。 お互い 同じ気持ちなのに すれ違って すごく、すごく苦しい・・・』 『・・・・・・・・・・・孝之介?』 孝之介の声が、震えて 泣いてるんじゃないかってくらい 細く 掠れていく・・・。 そして、絞り出すように紡ぐその言葉は 俺にではなく、 他の誰かを想って言ってるような・・・ そんな気がして・・・・ 俺は ゆっくり顔を上げた。

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