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☆31

*** ・side *** 俺は、走った。 屋上へ。 佑真の待っている屋上へ。 全力で。 早く・・・早く・・・っ! 行かなきゃ。 会わなきゃ。 バァーンッ!!! 『ゆうま・・・・・・・・っ!』 階段やドアを開けるのも もどかしく思いながら 漸く たどり着いた 大好きな 愛しい人の待つ場所。 その姿が目に飛び込んだ途端、 我を忘れて 抱きつこうとして・・・ “ 暴走エロ魔神 ” 孝之介の辛辣な言葉が 頭の中に フラッシュバックした。 " ちゃんと佑真と話して " " 暴走すんな " 次々に孝之介の放ったことばが 浮かび上がる。 『・・・・・・・・っっ』 ぞわわわわっ 全身に鳥肌がたつ。 怖かった・・・! マジ、怖かったんだって! あの、孝之介の、 うっすら笑った あの顔が・・・! そう、笑顔のハズなのに めっちゃ怖かったんだよ・・・! 慌てて 急ブレーキをかけ、 佑真の直前で 止まった。

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