149 / 156
☆31
*** 蓮・side ***
俺は、走った。
屋上へ。
佑真の待っている屋上へ。
全力で。
早く・・・早く・・・っ!
行かなきゃ。
会わなきゃ。
バァーンッ!!!
『ゆうま・・・・・・・・っ!』
階段やドアを開けるのも
もどかしく思いながら
漸く たどり着いた
大好きな 愛しい人の待つ場所。
その姿が目に飛び込んだ途端、
我を忘れて 抱きつこうとして・・・
“ 暴走エロ魔神 ”
孝之介の辛辣な言葉が
頭の中に フラッシュバックした。
" ちゃんと佑真と話して "
" 暴走すんな "
次々に孝之介の放ったことばが
浮かび上がる。
『・・・・・・・・っっ』
ぞわわわわっ
全身に鳥肌がたつ。
怖かった・・・!
マジ、怖かったんだって!
あの、孝之介の、
うっすら笑った あの顔が・・・!
そう、笑顔のハズなのに
めっちゃ怖かったんだよ・・・!
慌てて 急ブレーキをかけ、
佑真の直前で 止まった。
ともだちにシェアしよう!