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☆33

*** 蓮・side *** 『え・・・ゆ、佑真・・・・ !? なんで佑真が謝んの・・・?』 ビックリして 声をかけても佑真は頭を下げたまま じっと動かない。 『ゆうま・・・・・?』 『・・・・ごめん・・・・俺・・・・ごめん・・・』 か細い声で “ ごめん ” を繰り返す佑真。 声も肩も 微かに震えていて なんだか無性に 抱きしめたくなってしまう。 ───って、ダメだ。 今は・・・ガマン・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ ・・・・・・・・ うー・・・・・無理。 『え、えーと・・・・・佑真・・・ だ、抱きしめても・・・ いいでしょうか・・・?』 思わず発してしまった俺の言葉に 佑真が ハッと顔を上げた。 『・・・・・/////、・・・う・・・ん・・・』 コクンと頷いた後、 みるみる真っ赤に染まっていく。 う・・・・//// か、可愛い・・・! そっと手を伸ばすと・・・ まだ震えている佑真の体を 怖がらせないように出来るだけ そっと 優しく ふんわりと抱きしめた。 『佑真・・・・ごめん・・・ 俺・・・佑真の気持ち、考えないで 勝手に暴走して・・・ごめん・・』 背中を優しく擦りながら ひと言ひと言を噛み締めるように紡ぐ。 『・・・ううん・・俺こそ・・・・・ 自分が誤解されるような事したのに・・・ 勝手に蓮の事 怖くなって・・・ 逃げたりして・・・ごめん・・・ね・・・』 泣きそうな声に、 胸がチクリと痛くなる。 『佑真・・・謝らないで・・・』 “ 悪いのは俺なんだ ” って、そう続けたかったのに 佑真が それを遮るように声を絞り出す。 『ごめん、蓮。ごめん・・・・』 『佑真・・・・』 『ごめん・・・・ごめんなさい・・・』 『・・・・・・・・・・・』 「ごめん」を繰り返す佑真に なんだか嫌な予感が頭をよぎり・・ 急に不安になってきた。 え。ちょっと待って・・? これって・・・、 この「ごめん」って まさか・・・もう俺とは無理!の 「ごめん」じゃない・・・よな? ないよな?? 『あ、あの、佑真・・・!』 『蓮、ごめん・・・こんな事 言うの 自分勝手だって分かってる・・・ 分かってるんだけど、俺・・・・・・』 ますます震える佑真の声。 抱きしめ返してくれない 下ろしたままの佑真の両手。 不安が 果てしなく 広がっていく。 まさか・・・・ホントに? ホントに・・・俺たち・・・! こんな状況なのに なぜか頭に浮かんでくるのは 鬼のような冷徹な表情の孝之介。 遅かった・・・・? もう・・・ダメなのか・・・ 欲望のままに行動した自分が どれほど佑真を怖がらせたのか 改めて思い知らされて 茫然として動けずにいると・・・ 佑真の両手が おずおずと 背中に回されて 小さく掠れた声が耳に届いた。 『俺・・・・・蓮が・・好き・・・・・・』

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