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☆35
*** 蓮・side ***
『俺と・・・つきあって下さい!
お願いしますっっ!!』
もう1度 体を折り、手を差し出す。
さあ 佑真、返事を・・・!
俺にチャンスを・・・!
『・・・・・・・・・・・・・・・やだ。』
。
。
。
『・・・・・・・・・・・・・え?』
やだ・・・・?
え?
やだって言った・・・?
やだ・・・・って。
ええぇぇぇぇ── !?
なんでぇぇぇ── !?
『ゆ、佑真・・っ・・・・っ?』
『・・・・・やだ、・・・そんなの。』
や、やっぱり・・・やだって・・・
そんなのやだって・・・・・・
そんなのって・・・・ !!
え、待って !?
俺と やり直すの・・・嫌なの !?
『ゆ、ゆ、ゆ、ゆゆゆ・・・・ゆ・・・』
『・・・・・・・・・いやだ・・!』
ガーン!!!!(←とどめ)
『ゆ・・・・・・・・・・・』
最早、「ゆ」しか言えてない俺。
どんだけのダメージを受けているか
分かってほしい。
いや。・・・てか、
どうしよう・・・
いい雰囲気だったのに・・・・
早速 間違えた?
どこで?
何を間違えたんだ?俺は・・・!
唖然と佑真を見つめていると
佑真は 伏し目がちに
ふて腐れたように唇を尖らす。
『最初からやり直すって・・なに?
間違えたって・・・なに?
俺は そんな風に思ってないし、思いたくない。』
『・・・・・・・・・え?』
『蓮とつき合ってから 色々あったけど・・・
そりゃ、いっぱい悩んだけど・・・
でも・・・それも全部 俺にとっては
大切な宝もので・・・それを忘れて
最初からって・・・そんなの、やだ。』
『佑真・・・・・・・・』
『間違えてもいいじゃん・・・
間違えた時は 1人じゃなくて
2人で乗り越えようよ。』
『佑真・・・・・・』
『俺は もう・・・逃げない。
言いたいこと ちゃんと蓮に言う。
だから蓮も・・・俺に変に気を使わないで
俺のためにガマンしないで。』
『・・・・・・・・・・・・・』
ああ・・・・そうか。
そういう事・・・か・・・。
もう・・・
俺ってヤツは・・・
バカ!
俺は・・・ホントの大バカだ!
今度は佑真のために 佑真の理想に
近づきたい、なんて
安易に考えてた。
けど、そうじゃないんだ。
なかった事にして リセットすれば
いい、なんて・・・
バカ・・・・だ。
俺は・・・大バカだ・・・!
“ ホントにバカだよね ”
うう・・・
また孝之介の冷徹な顔が・・・!
うう・・・
な、泣きそう・・・・!
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