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☆36
*** 蓮・side ***
がっくり・・・と
両膝をついて 項垂れる俺の前に
佑真が 近づいてくるのが見えた。
『蓮・・・・・・・』
『・・・・・・・・・』
『・・・れーん?』
佑真が しゃがんで 俺を覗き込む。
けど。
『・・・・・・・・・・』
なにも言えない。
なにも・・・言える訳がない。
バカな俺が・・・
ひたすら落ち込んで
下を向いて じっと黙っていると
佑真の手が俺の頭をポンポンッと
撫でてきた。
なんか・・・それでホッとして
嬉しくなってしまう辺り
どれだけ弱ってるんだ・・・と
妙な事を実感したりして。
そして、そんな事を
うだうだと考え続けている俺に
佑真が ギューッと抱きついてきた。
『ゆ、佑真・・・・・?』
反射的に抱きしめ返すと
さらに しがみついてくる佑真。
肩に顔を埋める耳が
真っ赤に染まっているのが見える。
あー・・・
やっぱり可愛い・・・
『えっと・・蓮・・・・・あの・・・ね?
俺、蓮が思ってる以上に子供で
情けないくらい臆病で・・・さ、
なかなか前には進めないかもしれない・・・けど
・・・イ、イヤな訳じゃないから。
そこら辺は 勘違いしないで・・・ね////?』
照れくさいのか 早口な佑真。
佑真がくれた 「告白」の方の
やり直しのチャンス・・・・かな。
よし。
『・・・・・・・・・俺も・・・・
自分が思ってる以上に子供ですぐ暴走して・・
佑真の気持ち全然 分かってやれなくて。
・・・けど・・・・いつか・・・いつか佑真と
そ、そうなりたいって気持ちにウソは・・・ないから
・・・これからは ほどほどにアタックするんで
よろしく・・・・・・・・。』
今度は正直に自分の気持ちを伝える。
すると、佑真が肩を震わせ・・・・
くすくすと笑いだした。
『うん・・あはは。よろしく・・・・』
『おう・・末永く よろしく。』
『うん。あの・・お、お手柔らかに・・・・』
『うん・・なるべく・・努力します。』
『蓮・・・・・・・・』
『・・・・・・・ん?』
『好き・・・・・・////』
『俺も・・・・・・////』
佑真が顔を上げる。
幸せそうに笑う 瞳から ポロリと
涙が ひと粒 こぼれ落ちた。
夕陽に反射してキラキラ光る
その涙を 親指で拭って そっと
顔を近づける。
唇が 触れる・・・・と思った、
その瞬間
見計らったかのように 扉が
バーン!と開いた。
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