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☆37
*** 蓮・side ***
『『え???』』
抱き合ったまま、固まる俺と佑真。
扉の向こうから現れたのは・・・
孝之介・・・ ・ と、大和。
『やれやれ。やっと解決したね。』
『よかったー。よかったよ!』
『『・・・・・・・・・・・・・・・』』
え?
なにこれ。
タイミング よすぎじゃね?
もしかして・・・・・・
全部、聞かれてたんじゃ・・・ !?
「ヤバい」と 固まる俺と
純粋に驚いて固まる佑真をよそに
2人は 拍手なんかしながら
どんどん近づいてくる。
『いやー、おめでとう。』
と、孝之介が 俺と佑真をひっぺ剥がし
俺の手を掴んで 立ち上がらせる。
『よかった!よかったな!』
必然的に 大和は
佑真の方に行ってしまう訳で・・・・
2人が抱き合って喜んでいるのが
目の端に見える。
『れーん?』
『・・・・・・・っ・・・』
うっすら笑みを浮かべ
俺の前に立つ孝之介。
・・・・・怖い。
笑ってるのに・・・怖い。
『よかったねぇ、蓮。
・・・途中、暴走しかけた時は
心配したけど・・・・・・・ね?』
「ね?」で突如 真顔になる孝之介。
俺の暴走がお気に召さなかったらしい。
って事は・・・だ。
やっぱり聞いてたんだな・・・
コイツ・・・(ら)。
『ま、いいよ。
結果オーライ、合格。』
『ご、合格・・・・・?』
『60点』
『ろ、ろく・・・・・・』
『ギリギリだね。』
『ギリ・・・ギリ・・・?』
『よかったね。』
『・・・・・・・・・・・・っ・・』
こんにゃろ、上から目線で
好き放題 言いやがって・・・・
──って思わないでもないけど
孝之介のお陰でうまくいったのは
間違いないんだよな・・・
悔しいけど。
『あ、ありがとう・・・・・な。孝之介。』
一応、感謝の気持ちを素直に
伝える事にする。
人として当たり前だから、な。
すると、
孝之介は 一瞬 驚いた顔を見せ
『どういたしまして。』
と、にっこり 笑った。
作りものじゃない ホントの笑顔で。
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