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*** 大和・side *** 『ああ。面白かった♪』 『あー、笑ったわー♪』 結構な時間、笑いこけて やっと、落ち着いた父と母。 ───だったのだが。 『で?なにがそんなに面白かったんだよ?』 俺の(不用意な)一言で、 『だって、大和が・・・・!ぷはっ・・・』 『大和がまさかの・・・・!あはは・・・』 またしても笑い出し、 肩を震わせ テーブルに伏してゆく。 『あー、もう!笑うなってば!』 もう2人が笑いころげてるのを ただボーッと待つのはごめんだっつーの! 『だって面白いから。なぁ、母さん。』 『ふふふ、面白いわねぇ、お父さん。』 『だから、何が?』 『だ、だって・・・・大和が嫁って・・・・!』 『大和が・・・・ウェディングドレス!?』 『『あははははっ!!』』 『想像しただけで・・・・!』 『お、お腹いたーいっ!』 『『あはははははっっ!!』』 またしても、お腹を抱えて笑いだす。   勝手に想像して勝手に笑うな・・・・! いい加減にしろーっっ!! ☆ ☆ ☆ 『・・・・・・はい、お茶。』 『・・・・どーも。』 なんとか仕切り直しをして (っていっても、また2人の笑いが治まるのを ただボケーッと待ってただけ、だけど。) 母が淹れ直した お茶を飲む。 改めて。 母さんがすごい剣幕で怒鳴っていたのも 2人して笑いまくってたのも “ 俺が「嫁」になる ” って事が なんかのドツボにハマったから・・・らしく 怒ってたってワケでは・・なかった。 あー、やれやれ、 ホッとした。 けど・・・・ “ 俺が嫁ぐ ” って事については、 どう思ってるのか聞いてないんだけど・・・・ 実際のところ、どう思ってんだ? 『・・・・・・あのさ。』 『んー?』 『俺、圭とずっと一緒にいたいんだ・・・・。 だから、圭のとこに行ってもいい・・・?』 改めて、俺の気持ちを伝える。 父は真っ直ぐに俺を見て 『俺たちが反対したら?諦める?』 と、聞いてきた。 そんなの・・・ 『諦めない。どうしてもダメって言うなら ・・・家を出る。圭と一緒にいられるなら 例え 勘当されても・・っ・・』 当たり前じゃん!と、ばかりに 捲し立てていると・・・・父さんにやんわり止められた。 『うん、分かった。 そのくらいの覚悟はあるって事だね?』 『う、うん・・・・!』 だから、そんなの当たり前・・・・! 『・・・・・・・うん。そうか・・・。いいよ。』 『え・・・・・・?』 『大和が本気で好きなら、許す。』 『と、父さん・・っ・・・!』 『っていうか、予想どおりだし。』 『・・・・・・・・・・・・え?』 『あのねぇ、あんたが圭くんの事を好きなのなんて バレバレよー。だから今度、お父さんと挨拶に行こうって決めたんだからね?』 『え?バレバレ?・・・え?し、知ってたの?』 『うん。バレバレ。』 『あんた 分かりやすいから~。』 『・・・・・・・・・・。』 え・・・・マ、マジで?? そ、そう・・・だったのか・・・・ バレてたのかーっっ!! なんか・・・・改めて実感・・・・ スゲーな・・・俺の親・・・・ 能天気で、ちょっとアホだと思ってたんだけど ・・・ちゃんと俺を分かってくれてるんだな・・・・ なんて言ったら怒られちゃうか(笑)。 どっちにしろ、難関クリア! カミングアウト、大成功!! やったぞ、俺は。 やったよ、圭~!!

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