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*** 大和・side *** 居間にて。 『片桐 善(よし)です。圭の父です。』 『あ。ぼ、僕っ・・・か、片桐 圭です・・・っっ///』 『笹野 正義( まさよし )です。いつも 大和がお世話になっております。』 『妻の恵( めぐみ )です。 圭くん、よろしくね。』 『はっ、はいっっ! よ、よろしくお願いします/////!』 何度も何度も頭を下げる圭。 もう、一生懸命なのが、 最高に かわいいんだけど。 あー、くそぉ かわいい・・・ 抱きしめたい・・・!! ほけーっと圭に見惚れていたら 『ちょっと!あんたも名前! それから頭くらい下げなさい。』 と、母親に小突かれた。 『あー。いやいや。いいんですよ。 青少ね・・・・いや大和は、あ、大和くんは いつも ウチに居るから もう 家族同然みたいなもんですし。』 と、お義父さん。 『すみませんね、毎日。 邪魔になってませんか?』 ───なに? (余計なコトを・・・!) 『いやいや、よく手伝ってくれてます。 パンに対する情熱がすごいんで 頼もしい弟子ですよ~。』 ────なに?? (初めて聞いたっ!!) 『それなら いいんですけど。 バカ息子ですけど、パンが好きなのは 間違いないです。どうぞ これからも よろしくお願いいたします。』 ───なにぃ!? (バカは余計だっ!!) 『はい。こちらこそ。 こんなボロ屋で申し訳ないですが パンは一流だと思ってやっておりますので。 大事な息子さんをお預かりしても 恥ずかしくないよう 精一杯 やってくつもりです。』 ───お、お義父さん・・・! (こんな真面目なの初めて見たっ!) 『『どうぞ よろしく』』 『こちらこそ』 『あっ、ぼ、僕も・・・ですっ//// 』 全員で深々と、お辞儀。 (あ、もちろん、俺も ね。) 長いお辞儀からやっとの事 顔を上げると、みんなホッとした雰囲気に。 圭が「お茶 淹れてきますねっ」と、 ワタワタと台所へ 出ていく。 正座していた足を崩して、 親たちは談笑を始めた。 おお。 なんか・・・・思った以上に みんな・・・まともだった。 なんだー。 真面目な話、出来るんじゃん。 心配する事なかったな。 ホッとした俺は圭を手伝うため、台所に 行く事にした。 ──って、ただ単に圭の傍に行きたいだけ! なんだけどね♪

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