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*** 大和・side ***
それから、数日後。
今日も、忙しくも楽しくパン屋の仕事を終えて
ご飯も お風呂も済ませた。
あとは各自、自分の部屋 (つまり俺は圭の部屋)で
ゆっくり過ごす、そんな時間・・・・
─── の、はずなんだけど。
『はー。今日も疲れたなー。』
『・・・・うん。そうだね。
・・・っていうか お父さん。』
『ん?なんだ?圭。』
・・・・・もう1度 言うが
ここは、圭の部屋だ。
『なんで毎晩 僕の部屋に来るの?』
『ん~?なんでって・・・なんとなく?』
『毎日毎日 来ないでよ、・・もうっ!』
『そう冷たくするなよ~、いいじゃん。
父ちゃん寂しい。』
『え。・・・さ、寂しい?』
『そう。父ちゃん寂しいの♡』
『・・・・・・・・(怒)。もう・・・・ウソばっかり!』
『ウソじゃねぇもーん。』
しれーっととぼけるお義父さん。
むくーっと膨れる圭。
『・・・・・・・・・・またか・・・。』(←大和 )
そう、また・・・・なのだ。
また、というか
俺が ここに来てからというもの、
毎晩・・・・毎晩、毎晩、毎晩
お義父さんは圭の部屋 に やって来る。
そうして、毎晩 圭に怒られつつも
圭が眠気に負けて
ベッドに潜り込むまで居座り続けるのだ。
今日も、圭が目を擦りながら
眠そうにあくびを繰り返すのを
ジーッと見つめている。
『・・・・・・・・・・・・。』
う、うーん・・・・
なんなんだ・・・・・。
お義父さんが見てるのは圭だけど
見張られているのは
もしかして・・・・
「俺」なのではないだろうか・・・・・
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