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部活で疲れて空腹感を覚える俺に、彼は自分で作ったであろうお惣菜をちょこちょこと持ってきた。 長年両親が食事時に居なかったせいで磨かれた彼の料理の腕は伊達じゃなかった。 ここまで出木○君 だったら料理も完璧にしとこうってか。ちくしょう、なんてやつだ。 料理が出されてから他愛もない会話を交わした。クラスが一緒で毎日話してるから特に話すことなんて無いけど。 一段落ついたところで勉強に移ろうと思っていた。 そんな中、緒方が言いにくそうに口を開く。 「俺さ」 「催眠術やりたいんだけど」 「……は?」 意味がわからなかった。 将来有名な大学に入りたいとか、医者になりたいとか言う緒方がこんなにもメルヘンな事を言うとは思わなかった。 意味がわからない。 「え?何?お前疲れてんの?」 彼を心配した。 勉強のしすぎで疲れたかもしれない。テストで高順位をキープすることにプレッシャーを感じているのかもしれない。 「お、落ち着けよ」 「や、聞けよ」 肩をしばこうと、手を彼の方に乗せる。それを払い除けて彼はこんなことまで言い出した。 「実験台になって欲しいんだ」

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