5 / 36

5

「ちょっ、待て待て待て!考え直せお前!!」 「は?」 馬鹿だろコイツ。なんで男友達にそんなもんかけようとしてんだよ。馬鹿だろ! なにが「お前にしか頼めない」だよ!!もっとあるだろ!! 「女にかけろよな!!彼女とか!」 「は?そんなことしたら俺の印象ガタ落ちじゃんかよ。」 はい、正論ですねー。ありがとうございますー。 ...じゃなくて!! 「それ承知だろ!?ありえねえよ!俺男だぞ!?」 必死で彼に諦めてもらうように言った。言ったつもりだ。 しかし彼はキョトンと首をかしげる。 「男でもお前ならいいって思ったんだろ?」 そしてニタリ、と。 黒い笑顔を俺に向けた。 「いいから黙ってろよ」 「ひっ...」 後ずさりする俺の腕を、緒方はしっかり捕まえた。 「う、うわ、離せよ!変態!!」 必死で彼の手を振りほどこうとする。しかし、彼の力は俺の右上を行く。 ...嘘だ。うわ、高校生活終わったわ、俺。 どんなイヤラシイことされるか恐れ、目をつぶってビクビクしていたが、いつまで経っても彼がそんなことをしてくる気配はない。 そっと目を開ける。 「おい、ハヤテ。これちゃんと俺の言うとおりにしないと、かからないから」 「はっ?」 めんどくせー!!!!

ともだちにシェアしよう!