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「手、どっちでもいいや。貸して」 「...はい」 恐る恐る、緒方の方に右手を伸ばす。 さっさと終わらしてさっさと帰ろう。そんな気持ちだった。 彼は、俺の右手をピースの状態になるようにほかの指を丸めさせた。 彼が俺の手を見ることで自然と俯いた状態になり、睫毛が目に影を作る。 なんというか 綺麗だった。 俺の右手をピースの状態にした後、彼は小さく「よしっ」と言って俺の目を見る。 「いいか、よく聞けよ」 「はいはい」 「今からハヤテの人差し指と中指は、お前のチ○コだから」 ............ん?こいつなに言ってんだろ。 緒方がそう言ったきり、俺と彼はしばらく見つめ合う状態になった。 催眠術などかける気配もない。言ったことが言ったことだしなんだか気まずいし。 なんだろう、めっちゃ不安。 唐突に、彼が俺を気遣うように口を開く。 「あのさ、もういい?」 あ、俺待ちだったのね。はよして、はよ帰ろ。 「あーもー、どーでもいーから。早く!」 「おっけ、じゃあやらしてもらうよ」

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