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第3話

この言葉は嘘か真か。青年にはそれがとても甘美な……禁断の果実に思えた。 『欲しい』。だが、それを手に入れた瞬間、自分は帰れなく、"堕ちて"しまうのだ。 でも、それでも……。 青年は"自身"と"世界"を、心の天秤の前に置いた。 しかし、天秤の皿にそれらを載せるつもりでいたが、それを止め、そして…… 「…………な、なる……。ま、おー……のモノに、なる……から、だから……」 ―世界を、助けて……。 「良し、もう悪意の有る干渉はしない。お前が手に入ったからな……ホラ、"堕ちた"声で俺を喜ばせろ」 「……ま……まおー…………さま、の、ペニス……。……き、きもちぃいぃッ! もっと……。もっと下さい……」 時に高く、または細い声で強請る言葉を言いながら、青年の瞳から涙が幾筋も溢れた。 そして青年の言葉に魔王は口の端を上げ、彼の涙を指で掬い舐めた。 そうしてからその指で今度は青年に隷属の術を施し、満足気に微笑んでから彼の柔らかな髪を撫た。 撫でる手が余りにも優しいので、青年は不思議な嬉しさと"違和感"を覚えた。 そしてその"違和感"は直ぐに好意を持ちは始めた相手に、残酷に突きつけられた……。 「ああ、やろう。……"レイニード"……」 ―……"レイニード"。 「…………」 彼の中に、違和感が理解出来、同時に弾けた。 「どうした? 名乗っていないのに俺が名前を呼んだのが不思議か?」 「…………はい……」 「そんなの、お前が"レイニード"と言う名だなんて、調べれば直ぐに分かる」 「そ、そうです……か……」 隷属契約をし、名前に返事をした後で……もはや手遅れだった。青年は理解した全てに震えた……。 そして魔王は青年の震えを、自身の良い様に捉えた。 「くくく…………今からお前は俺を慕い、俺専用の可愛く泣き叫ぶ人形だ……。 急過ぎて今は心が追いつかず怖いのかもしれぬが、じき慣れる。ホラ、お前が好きな場所はここだろう?」 「……ひぃいん! くぅ、ぁあ! そこ……ぃいよぉ……! ふぁ、ふあぁ……」 「俺専用で良いな?」 「ひ、は!? ひぃ……! ひぃ! ひあん! あンン!!」 「大事な返事だ。ちゃんと言え」 「は、はひぃ!!! 僕、は、大好き、な、まおぉう様専用人形です……!!!」 「……そうそう、そうだ。これからその美しい姿で可愛い声をたくさん聴かせよ」 「ひゃぁ……ぃい……いい、い、いいぁああ!」 ―ぶびゅるるるるる!!! 「ちゃんと言えた褒美だ。いっぱい中に出してやる」 「んぁ! あ! ひぃん……まだ出て……っ」 「ああ、レイニード……あの時から、ずっとお前が忘れられず、この手に欲しかったんだ……」 「魔王、さまぁ…………ん、んっ……」 そして魔王は隷属させたばかりの麗しい青年の答えを押さえ込む様に、深く深く……溶け合うような口付けを繰り返した――……

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