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第6話 もう、誰でもいいから生徒会室に行けよ

オレはカップに残っているコーヒーを飲み干してから、立ち上がった。 「いい。僕が行く」 と、龍ヶ崎。 龍ヶ崎が立ち上がってオレのところまできた。 オレの手からクリアファイルを取りあげた。 「かずくん(委員長の昔の呼び名)に頼まれたのはオレだから、オレが行く」 「あんたが行くと、時間がかかる」 と、龍ヶ崎。 「寄り道なんかしないで、さっさと帰ってくるよ」 「あっちが帰してくれないよねー。生徒会」 と、修ちゃん。 「和孝が最初に頼んだのは僕だから」 と、龍ヶ崎。 「おまえ、拒否ったくせに」 と、オレ 「気が変わった」 と、龍ヶ崎。 「もう、どっちでもいいから、早く行けよ」 と、かずくん。 「「おまえが行けっ!」」 と、オレと龍ヶ崎の声がかさなった。 龍ヶ崎がクリアファイルをオレの机にバシッとおいた。 「あぁ? おまえら俺様にお使いさせる気かよ?」 と、けんかごしのかずくん。 「あぁもう、龍ヶ崎が行きたいんだったら、行けよ」 と、オレ。 「誰が行きたいって?」 うわぁっ。 龍ヶ崎の低すぎる声。 かずくんが、 「誰がいくんだよ?」 と、わめいてるけど、それどころじゃない。 「痛っ!」 ぐいっ、と龍ヶ崎に顎をつかまれた。 顔を固定されて、顔を動かせない。 「今日、何曜日?」 と、龍ヶ崎。 「き、金曜日」 と、オレ。 「そう。金曜日って何の日?」 「……週末」 「そうだね。他には?」 オレたちがセックスする日。 「他には?」 と、龍ヶ崎。 他の風紀委員がいる中で、何を言わせたいんだよ? 目もそらせない。 冷ややかな目がオレを見下ろす。 「……わかってるから」 と、小声のオレ。 「どうだか」 と、龍ヶ崎が鼻先で笑った。

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