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第7話 チューチューうるさい

龍ヶ崎の机の隣が橋爪だ。 彼が立ち上がって、俺達のそばにきた。 「あー、俺が行くわ。おまえら眼福だけど、凛には刺激強すぎ」 と、橋爪。 書類が入ったクリアファイルを手にとった。 高槻くん? 確認しようにも、顔が動かせない。 「龍ヶ崎さんと王子がからんでると、美人すぎて迫力あるよねぇ」 と、鈎沼くん。 「う~ん、チューすんのかなぁ?」 と、修ちゃん。 そんなんしないからっ! 「りーん。ガン見しすぎ。そんなに見たら、いくら龍ちゃんだってしにくくなるでしょ?」 と、修ちゃん。 するわけないだろっ! 「んじゃ、行ってくる」 と、橋爪は風紀委員室を出ていった。 「泣きそうな王子。……かわいいを通り越して、クルわぁ」 と、鈎沼くん。 泣くわけないしっ! 「唯月はまだまだねぇ。龍ちゃんが悠ちゃん泣かすわけないじゃん。俺たちに泣き顔なんか披露してくれないよ。龍ちゃんはむっつりだもんねー」 と、修ちゃん。 「泣き顔……」 と、高槻くんがつぶやいた。 ……オレ、泣いてないよ、高槻くん。  「涙もきれいなんだろうなぁ」 と、高槻くん。 オレ、泣いてないからっ! ちゃんと、見ろよ、たかつきぃ! それと、むっつりと言われても否定しない龍ヶ崎。 肯定してんの? 自覚してんの? オレがらみじゃないと、あんましゃべらないのは、損だよ? 「いつになったらチューするの? なんか飽きちゃったよ」 と、修ちゃん。 バカなの? するわけないでしょ!

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