11 / 67

第11話 ベッドへいこう

「服、脱いで」 と、龍ヶ崎。 「ここで?」 オレらはリビングで立ち話中なんですよ。 なんていうか、ゴミだしのあとに、近所の奥さん同士が、集まってしゃべってる井戸端会議みたいな感じ? 座り心地のよい大きなレザーのソファーに座ることもなく、お話し中。 「玄関入ったら、すぐに脱いでくれると思ったんだけど。言わないと、わからないみたいだし」 玄関入ってすぐ全裸。 そんな人いたら、怖いでしょうが。 「ここですんの?」 と、オレ。 「ベッドのほうがいいの?」 ベッドでするのがふつう。 でも、龍ヶ崎に常識は通じない。 教室でも、学校のトイレでもさかってくるし。 「……ベッドがいい」 オレから誘ったみたいなセリフが嫌だけど。 「めずらしくその気になってるんだ」 と、龍ヶ崎はうっすらと笑んだ。 そんな気になったことなんてない。 媚薬の飴『ラブ・キャンディ』を食べたときは、正気を保っていられなかったから、別もの。 龍ヶ崎の手が、オレの胸元にのびてきた。 「なに?」 オレの制服のネクタイをゆるめた。 「龍っ……」 オレの開襟シャツのボタンをはずしていく。 とっさに龍ヶ崎の手をつかんだ。 「着たまんまのほうがいいの?」 と、龍ヶ崎。 「違うよっ」 「着衣プレイがいいなんて、いやらしいね」 龍ヶ崎の手からのがれて、 「脱ぐよ。脱げばいいんだろっ!」 ゆるめられたネクタイをはずして、中途半端に脱ぎかけのシャツのボタンを全部はずした。

ともだちにシェアしよう!