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第12話 龍ヶ崎のせいで枯れた

オレは脱いだシャツとネクタイをソファーの背にかけ、インナーも脱いでシャツの上に置いた。 「まだ、残ってる……」 オレの胸元にある黄色くなった痕に、龍ヶ崎の指がふれて、 「赤くないと、皮下出血の治りかけみたいで興醒めするな」 と、龍ヶ崎。 「帰る」 と、オレは脱いだ服をつかんだ。 龍ヶ崎は歩こうとしたオレの腕をつかんできた。 「離せっ」 「そのくらいで傷つくの?」 と、龍ヶ崎。 「興味がうせたのは、そっちだろ?」 「そうなりたいと思ったこともあるけど、今は興味津々だよ。……あんたに」 「えっ?」 オレが凝視したら、 「しなかった期間、自分でいじってた?」  「するわけないだろうがっ!」 と、即答したオレ。 ……興味持ったのは、そっちかよ。 さすが、エロ大王だ。 あ、エロ魔神だっけ? まぁどっちでもよいけど、龍ヶ崎はヤることしか頭にないみたいだ。 ちょっとだけ残念に思った、ことに蓋をしておく。 「どうしてしなかったの? ほとんど毎日してたのに。体が疼くでしょう?」  と、龍ヶ崎。 「はぁ?」 「僕の名前を呼びながら、毎晩さみしく自分でしこってたんだと思ってた」 ほんとに、龍ヶ崎はセックスのことしか頭にないようだ。 歩く卑猥が、風紀副委員長なんだよなぁ。 どんな人選だよ、まったく。 委員会なんて、面倒くさがってやりそうにないのに、中等部から風紀委員だった。 風紀乱しまくりの龍ヶ崎が、どういう経路で風紀委員になったのかも不明だ。 「龍ヶ崎じゃあるまいし。そんな気にはこれっぽっちもならなかったよ」 と、オレ。 「淡白通りこして、枯れてるなぁ」 「……おまえのせいでな」 「僕にさわってもらわないと、イけなくなっちゃった?」 「さぁな。おまえ以外とやってねぇら、わからん」 「他の人とやってないんだ」 と、龍ヶ崎に抱きよせられた。 月曜日の夜に龍ヶ崎と会って、金曜日の夜まで、3日間しかなくて。 その間に放課後は風紀委員の雑用してたのに、いったいどんな出会いがあって、誰と寝るんだよ?

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