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第14話 服ぐらいさっさと脱げよ

「キスして」 と、オレに龍ヶ崎が覆いかぶさってきた。 オレからすることはなくて。 こんなふうに、たまに強要される。 「悠人」 催促されるけど、オレに龍ヶ崎のようなキスが出来るわけなくて。 「しない」 と、オレ。 「エッチするのに、順序は大事だよ」 「……そんなんいらないから、早くしろよ」 「簡単にはいっちゃうほど、ゆるいの? やっぱり一人で後ろいじってたの?」 「するかっ!」 龍ヶ崎のセフレになってからは、オナニーする体力も性欲もない。 一人寝のときは爆睡してるし。 「じゃあじっくりと穴をほぐさないと」 と、龍ヶ崎。 「ローションぶっかければ、すぐはいるよっ」 「やっぱり悠人は痛いのが好きだなぁ」 と、笑顔の龍ヶ崎。 目が笑ってないけど。 「脱いで」 と、龍ヶ崎。 密着している龍ヶ崎を押しのけて、立ち上がった。 もう、シャワーは浴びさせてもらえない。 だから、さっさと制服のズボンと一緒にパンツも脱いだ。 ついでに靴下もぬぐ。 オレは龍ヶ崎の指定通りに全裸になった。 「毎回、色気のない脱ぎっぷり」 と、龍ヶ崎。 「おまえは脱がないの?」 「脱がして」 「ああ? 自分で脱げよ」 「悠人に脱がして欲しいな」 「着たまんまでいいよ」 「汚れる」 「じゃあ、脱げ」 「自分で脱ぐのは嫌」 「……面倒くさい、龍ヶ崎」 延々と続くような言い合いに根負けしたのはオレ。  なんだかんだいって、いつも、わがまま大王の言う通りになるんだけどな。 龍ヶ崎に手を伸ばして、ネクタイをほどいた。 シャツのボタンを外し、シャツを肩から抜いた。 龍ヶ崎はインナーを着ていないから胸元があらわになり、オレがつけた痕は消えていた。 首もとにつけた赤い痕。 すぐついたのに、消えるのが早い。 オレの吸い付きが弱かったのか、龍ヶ崎の皮膚再生能力が高いのかはわからないけど、ほどよく筋肉のついたなめらかな肌しかなかった。

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