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第15話 王妃様か性奴隷か

「下も」 と、龍ヶ崎。 「それくらい自分でしろ」 「脱がして」 「はいはい、おまえはどこの王様だよ」 龍ヶ崎は自分で脱ぐ気がまったくない。 自分だけ真っ裸で突っ立ってて、バカみたいだ。 オレ的には着衣プレイだって、別にかまわないんだけど。 自分で脱ぐ方が手っ取り早いのに、龍ヶ崎はオレにどうしても脱がせたいようだ。 龍ヶ崎のベルトに手をかけ、バックルをはずし、ズボンのホックをはずした。 ファスナーをさげ、手を離したら、ズボンがすとんと床に落ちた。 龍ヶ崎は腕にひっかかったままのシャツにパンツ姿。 足元には靴下。 珍妙な格好なのに、王様オーラが薄れない。 「悠人は中途半端なのがいいんだ?」 と、龍ヶ崎。 「全部脱がしてさしあげますよ、王様」 龍ヶ崎の長い腕にひっかったシャツを脱がして、床に落とした。 パンツに手をかけ、オレは徐々に屈みながら、長い足からそれを引き抜いた。 床に座って、龍ヶ崎の足から靴下を脱がした。 自分で脱げばすぐに済むことを、他人にさせるから、ムダに手間と時間がかってしまった。 「終わりましたよ」 と、オレ。 見上げたら、無表情の龍ヶ崎。 望み通りにしたのに、なに、その顔。 「反抗的だよね。悠人は」 「はぁ?」 なに言ってんの、この人。 脱がせろ、と言われたから、素直に脱がしたのに。 「龍ヶ崎の言う通りにしてんじゃん」 龍ヶ崎が屈んできて、目線が近くなった。 「じゃあ、なんでもしてくれるんだ」 と、龍ヶ崎。 「しないよっ!」 「王妃だったら、王を喜ばすのが仕事だよ」 龍ヶ崎を王様と読んだのはオレだけど。 じゃあ、王妃はオレ……。 さすがに王妃はないわー。 「……ひくわ」 と、オレ。 「じゃあ、性奴隷」 オモチャと言われたことはあるけど、奴隷呼ばわりされたのは初めてだ。 「オモチャとどう違うんだよ?」 と、オレ。 「知りたい?」 「……いや結構です」 「遠慮するなんてらしくないよ?」 と、にっこりと笑う龍ヶ崎。 墓穴掘ったわ、オレ。

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