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第23話  首は弱いっす

「……あと、つけんな」 と、オレ。 「すぐ消えるよ?」 と、オレの腕から顔を上げない龍ヶ崎。 すぐには消えない。 それに見える所には、つけなかったくせに。 前腕から上腕にかけて、龍ヶ崎の唇が動いていく。 キスされたり、舐められたり、吸われたり、噛まれたり。 気持ち悪さに、ときおり、オレの体がふるえる。 「なに、やってんの…」 「愛撫」 ふだんは、しないこと。 つまみ食いの、謝罪のつもり? それとも、誰かと反応の違いをくらべてるの? 「その嫌がる顔、そそるね」 と、龍ヶ崎。 「変態……」 「ほめてくれるんだ?」 やっぱ、龍ヶ崎は頭がおかしい。 なぜ、変態が誉め言葉になるんだ? 龍ヶ崎は見た目もバックグラウンドも完璧なのに、性格というか性癖がとても残念だ。 天は二物も三物もあたえてるのに、しっかりと欠点もあたえてる。 完全無欠な人間にしていない。 それなら、もうちょっと、普通よりの性格というか、性癖にして欲しかったなぁ。 龍ヶ崎に首を舐められ、 「はぁっ…」 声と同時に体がはねた。 オレの、腕のときとはあきらかに違う反応に、 「ほんとに首が弱いよね」 と、少しあきれたような龍ヶ崎。 自覚はおおありだ。 だって、くすぐったいんだよ。 ちょっと、さわられるだけで反応してしまう場所。 それなのに、意図的に、目的を持って、いじられれば、過剰な反応をしてしまうのは、仕方がない。 龍ヶ崎の舌が、顎先から喉仏まではっていく。 「くっ…んん…」 声なんか出したくないのが、しぜんと出てしまう。 「あっん」 喉仏に吸いつかれ、 「う、あっ!」 歯をたてられ、体が大きくはねた。 龍ヶ崎のおもしろがるような視線が嫌で、目を閉じた。 そしたら、よけいに刺激に敏感になってしまい、出したくないのに、甘い声がもれてしまった。

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