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第24話 前戯はしないで

「は…あっ…ぁんっ……」 出したくないのに、もれる声。 オレの首にある龍ヶ崎の頭をどけようとしたけど、離れない。 執拗に首をせめられて、 「もう…いいからぁ。……さっさといれろよ」 と、前戯をやめさせたい。 「まだ首だけだよ?」 と、龍ヶ崎。 「もう…じゅ、うぶん……」 「ここ、さわって欲しいでしょ」 「あっ」 龍ヶ崎がからめられていた指をはずし、胸をさわってきた。 「いじってないのに、乳首、たってる」 「たってないっ……」 こんなに丁寧に前戯されたのは初めてだ。 いや、違う。 3回目だ。 今思えば、初めて抱かれたときも、時間をかけられたと思うけど、強力な媚薬をもられていたので、あまり覚えていない。 2回目はセフレになって初めて抱かれたとき。 しつこかったから、途中で中断させたらガツガツにやられた。 だから、 こんなふうにあつかわれるのは、慣れていない。 「……もう、やっ」 前戯なんか、いらない。 さっさと挿(い)れて、終わって欲しい。 右だけ、乳首をいじられ、なめられ、吸われる。 わざと音をたててくる。 「りゅう…それ、いやっ…」 「それって?」 「音、たて…んな」 ちゅっ、と乳首をきつく吸われた。 「ああっん」 体が反った。 「悠人は胸も弱いよね。ふだんは小さい乳首が腫れて真っ赤だよ」 放置されていた左乳首を、すうっとさわられ、 「あはっ!」 と、大きな声が出た。 「ほら、見てよ。左右の乳首の大きさも色も違うよ」 「やっ」 「いま見たくないんだったら、写真撮るから、あとで見てね」 「写真はやだぁ……」 オレは、はめ撮りとかに興味はない。 けど、龍ヶ崎はそういう写真が好きっぽい。 悪趣味だ。 龍ヶ崎とのセフレになったきっかけも写真だ。 気づかなかったオレにも落ち度があったけど、それでおどされた感はおおいにあった。

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