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第30話 どのキスでも好き※

痛い。 痛い痛い。 まだ痛いってば。 オレが泣いてると、龍ヶ崎の動きが止まった。 「目を開けて、悠人」 と、龍ヶ崎に言われて、 「りゅう…痛…」 「毎日しなかったから、閉じちゃったんだよ」 は? 閉じるって何? 元々、閉じてる場所だよ……。 じゃないと、うんこ垂れ流しになっちゃうし。 そうなると、特別な腸ていうか肛門の病気だし。 違うてっば、龍ヶ崎。 おまえが慣らしたりなかったからだろうが。 あ、 違うか。 オレが慣らせなかったからか。 今度からは、自分で受け入れる準備をするのかな。 手っ取り早くほぐすには、どうしたらいいんだろうか。 指では出来なかったから、他のモノか。 ローターじゃ小さいし、入り口しかほぐれなさそう。 じゃあ、バイブか。 長さがあるぶん奥まで届くし、太さもよい感じだし。 ただ、どっちも持っていない。 使ったこともないし、使われたこともない。 龍ヶ崎はそういう大人のオモチャ、持ってんのかなぁ。 なんかさぁ、すっごいエグいの持っていそう。 「ほら、舌、出して」 言われるままにすると、 オレの舌先を、龍ヶ崎が舐めてきた。 「ふっ…」 龍ヶ崎が猫みたいにぴちゃぴちゃ、と音をたてて。 「あ…やぁ」 思わず、目を閉じてしまう。 歯をたてられ、吸われ、 「…うっ、んんっ」 甘ったるい声がもれてしまった。 元々、キスは好き。 龍ヶ崎とセフレになって、色々なキスがあるのを知った。 口の中に性感帯があることをみつけられたり、強制的に唾液を飲まされたり。 こんなふうに口を合わせないキスの仕方も、龍ヶ崎に教わった。 口を開けて、舌を突き出して、口の外で、舌を絡ませたキス。 龍ヶ崎のあふれた唾液が、オレの舌をつたって、口腔内にたまっていく。 二人分の唾液を飲み込んだら、喉が鳴った。 あふれた唾液が口角からたれて、顎から首筋に流れていった。  

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