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第37話 まだセックス中※
イきたいのに、イかしてもらえなくて。
懇願は却下され、無理強いされた。
このどSがっ!
龍ヶ崎のバカ野郎っ!
思いっきり悪態をつきたいたいのに、
「……意地悪しないで」
オレの口から出たのは、媚びるような声だった。
とたんに、オレをゆさぶっていた龍ヶ崎の動きがとまった。
ひかれた?
キモいセリフに萎えた?
龍ヶ崎に頭を持ち上げられ、目線があった。
きれいな唇が弧をえがく。
「そんなこと言われたら、絶対にイかさないよ」
「うそ……」
ぽろっと、涙がこぼれた。
この男ならやりかねない。
獲物に逃げられない傷をおわせながらも、死なせずに、オモチャとして遊ぶ猫のように。
自分も龍ヶ崎になぶられるのだ。
「やだぁ……もうイきたい」
自分でも驚くような甘い声がでた。
「媚びることだけうまくなってもねぇ。悠人にはセックスの方を上達して欲しいな」
媚びてない。
そう言いきるには嘘があるけど、これはオレなりの処世術だ。
龍ヶ崎と付き合っていくためには、不可欠な事項だ。
ちゃちなプライドなんか、なんの役にもたたないことをセフレになってすぐに知ったし。
「ずっとイけない方が、気持ちにいいのが持続してよいのに。それにイっちゃうと、悠人はすぐに落ちちゃうしね」
「あっ…んんんんっ!」
龍ヶ崎が腰を動かしてきた。
「そんな声がでるんだから、気持ちいいんでしょ?」
この声がでるのは、圧迫感と苦痛からだ。
けっして快感からじゃない。
さっきまであったどうしようも出来ない射精感なんか、もう吹き飛んでしまった。
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