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第40話 ふつうに飲ませて

「どこ行くの?」 龍ヶ崎が寝室に戻ってきた。 「浴室」 「声、つぶれた?」 オレがうなづいたら、 「感じまくってたものね」 イってないけどな。 「抜きに行くの?」 と、龍ヶ崎。 「中のもん、出すの」 「あとで、でいいよ。まだたくさん飲んでもらうから」 「はあ?」 「上の口もうるおさなくっちゃ」 「……オヤジくさい」 龍ヶ崎は手に持っていたペットボトルのジュースを口にふくみ、キスをしてきた。 「うっん……」 口腔内に液体を流し込まれて、オレの喉がごくっとなった。 龍ヶ崎に口移しで、ジュースを飲まされた。 よく冷えたスポーツドリンクが、渇ききった喉を潤していく。 飲みそこねたジュースが、口角からたれたから、手の甲でぬぐうと、龍ヶ崎がその手を舐めてきた。 「おいし」 と、龍ヶ崎。 「味なんかする?」 「違うよ。悠人がおいしいの」 「怖っ!」 龍ヶ崎につかまられていた手を、乱暴にふりほどいた。 キモいを通りこして、マジで怖いわ。 オレはジュースをもらおうと、龍ヶ崎に手をさしだした。 「欲しいの?」 と、龍ヶ崎。 オレはうなづいた。 「え?」 手をにぎられ、龍ヶ崎の腕の中に引きよせられた。 「……ポカ◯」 と、オレ。 「いっぱいあげるね」 龍ヶ崎に何度も何度も、口移しで飲まされた。 ふつうに、ペットボトルを渡してくれた方が、効率よく飲めるのに。 龍ヶ崎は、飲ませ方を変えようとしない。 オレの口から、だらだらとジュースがこぼれていく。 不快感もあるけど、冷たい液体がほてった体には気持ちいい。

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