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第45話 週末集中性交の内容ははしょってしまいごめんなさい

始業ベルが鳴り、オレは教壇側の入口に目を向けた。 少し視線をずらすと、龍ヶ崎と目があった。 おそろしく整った顔の色気をふくんだ口が、弧をえがいた。 ふつうに笑ったとは言いがたい笑み。 冷笑とも嘲笑ともとれる顔だった。 オレはとっさに目をそらした。 ローカ側の前から2番目の席が龍ヶ崎だ。 オレは外が見える窓側の後ろから2番目の席。 オレ側からは斜め前を見るから見やすいけど。 龍ヶ崎側からはほぼ後ろを見なきゃならなくて。 ようするに、意識的に見ようとしないと、目なんかあわないわけで。 頭を後ろに向けた態勢で、オレを見てたのだ。 いつから、だよ……。 ずっとじゃないかも知れないけど、オレ達のことを見てたはず。 野間や護とのやりとりなんか、ふだんいつもしていることで。 とりわけ珍しくもないはずなのに。 週末は龍ヶ崎の部屋から一歩も出ることなく過ごした。 4月からそういう性活、じゃなくて生活だ。 いつもと同じ週末だった。 簡潔に言えばそうなんだけど、内容が濃すぎた。 ほとんど、ベッドの上で過ごした。 シャワーもあびさせてもらえない。 トイレも自由に行かせてもらえない。 食事はルームサービス(役職や特権持ちの8Fの住人は利用出来る制度の一つ)で、1日1食。 気絶するように寝落ちして、目覚めたら抱かれる。 『食ってる時間があるならセックスします』 なんていう週末でした。 金曜日からまた、アレをやるのか……。 マジで死ぬ。 体は限界だが、精神的にももたない。 龍ヶ崎にヤり殺される……。 朝食を食べに食堂に行ったのが、3日ぶりの外だった。

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