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第48話 嘘でかためてこねて
「あぁ……龍ヶ崎とエレベーターの前でばったりあったから、なりゆきで食堂に行っただけ?」
と、オレ。
龍ヶ崎とは週末はずっと一緒にいて。
セックスざんまいで、裸で過ごして。
淫らでただれた時間を共有していた。
なんて、絶対に言えない。
「……なに、その疑問系は?」
と、陵くん。
「会長の親衛隊なのに、どうして龍ヶ崎のことが気になるの?」
と、オレ。
学園においての大所帯の二大勢力の親衛隊。
ライバル視しても、共同はしないはず。
「おおいに気になるの。龍ヶ崎様のところが解体されたら、会長の親衛隊に隊員が流れてくるのは必至だもん」
と、陵くん。
「龍ヶ崎の親衛隊、解体なんかしないよ」
「そうかなぁ。なんかあんまり機能してないみたいだし。解体の噂あるし」
「もしも龍ヶ崎の親衛隊が解体しても、会長の方には影響ないんじゃないかな? あの二人では、好きというか、憧れの対象が違いすぎるよ」
「そんなに大差ないよ。ミーハー心を満たしてくれれば許容範囲。みんなで集まって、わいわいするのが好きっていう子もいるし」
「……そういうもん?」
好きだから、その人の親衛隊に入るんじゃないの?
親衛隊って組織はよくわからない。
「まぁなかには、マジで崇拝してる子もいるけどねぇ。一部の過激派には気をつけてね、桜井」
と、陵くん。
「オレ?」
「先週から堂々と龍ヶ崎様に急接近してて、マークされてる。忠告したからね」
「……マークされるって、なに?」
「あぁ、制裁系?」
「オレ、風紀委員だけど」
「そこは自衛力行使出来るね。風紀委員を制裁するのって、ふつうにないし。そこまで過激な者もいないっしょ? 風紀委員ってさあ、委員がケガとかさせられちゃうと、総員総動力をもって、その加害者をつぶすっていうもんね」
……一番、怖いのは風紀委員じゃねぇの?
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