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第49話 モーニングコール

「おれの愛のモーニングコールを無視して龍ヶ崎と食事をしてたのは、ショックだったな」 と、野間。 「ごめん。スマホの音切ってたわ」 と、オレ。 これはほんと。 風紀委員室で業務してるときは、バイブかサイレントにしている。 いちおう、仕事しに行ってるんでマナーとしてね。 金曜日の夕方、龍ヶ崎の部屋でエッチして。 今朝、一緒にシャワーを浴びて、一緒に食事をして、一緒に登校したわけで。 そして、解除し忘れて今に至ってます。 それと、充電してなかったから電池の殘量がわずかだ。 「へぇ、モーニングコールで起きてるんだ」 と、オレの後ろから護のいつもより低い声。 「起きれないんだったら、起こしに行ってあげるのに。なんなら泊まろうか? 一人部屋でさみしいでしょ?」 と、護。 そっちだって、一人暮らしじゃないか。 オレのルームメイトが、生徒会の役職持ちになって8Fへ移ったから、1年の春から一人暮らし。 護も1年のときからクラス委員という役職持ちだから、特権ありの8F暮らしだ。 後ろを振り向こうとしたら、 護に体重をかけられて、 「うわっ」 て、大きな声を出しながらよろめいた。 陵くんの肩に倒れこんでしまった。 「ちょ、危ないってばっ」 と、陵くん。 「「足腰弱っ」」 野間と護の声が被さった。 オレは陵くんに抱きついたまま、膝立ちだ。 カメラのシャッター音がいっぱい聞こえてくる。 え、なに撮ってんの? 「絵になるぅ」 「美しい」 「おいしい」 「エロい~」 「抱きつかれたい」 「……鼻血でた」 「たっちまった……」 「ご馳走さまです」 クラスメイトが、おのおの勝手に感想を言ってるようだけど。 誰のことだよ? 「重いよ~」 と、陵くん。 オレはふんばりきれなくて、陵くんに抱きついた格好でして。 「あ、ごめんね」 陵くんから体をはなした。

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