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第58話 真っ昼間から肉便器はないよな……
「いいよ。一人で行けるから」
と、オレ。
「だめ。送ってく」
「いらない。龍ヶ崎がついてきたら、目立ちまくる」
「いまさら」
と、龍ヶ崎が鼻先で笑った。
「ぼくが嫌なら、野間や沢木を呼んでついててもらって」
「一人で大丈夫だってば」
「大丈夫じゃないから、ガードがいるの」
「ガード?」
なに、それ?
神田さんにも言われたことがある。
(※詳しくは龍ヶ崎×桜井シリーズ1作目『飴』を参照)
龍ヶ崎が、めずらしく苦い顔をした。
「オレには親衛隊も出来たし、風紀委員に入ったんだから、そんなもんいらないでしょうに」
「一人はだめだよ」
「しつこい」
「だめなものはだめなの。ヨーグルトが口からたれた画像がひろまって、あんたは一人に出来なくなったから」
(※詳しくは龍ヶ崎×桜井シリーズ2作目『フルーツサラダヨーグルト』を参照)
たしか、先週、龍ヶ崎に『精液を飲み損ねた顔』みたいなことを言われた。
そんな写真がなぜひろまるの?
「なんで?」
と、オレ。
「すました顔やへらへら顔なら、いまさら仕方ないけど、あの写真はだめだ」
おまえはもっとオレのだめな写真、持ってるのに?
(※詳しくは龍ヶ崎×桜井シリーズ1作目『飴』を参照)
「たかが写真だろ?」
と、オレ。
「たかが写真が原因でレイプされたくないよね?」
「は? ないない」
「なに、その根拠ない自信は」
「おまえじゃあるまいし」
「忘れたの? ぼくたちは合意だったでしょ」
と、形のよい唇が弧を描く。
むりやり合意させられた。
というよりおどされた。
そういう関係だ。
「レイプされて何人にも輪姦 されて、写真でおどされて、肉便器になってもいいんだね」
と、龍ヶ崎が立ち上がってベッドから離れた。
龍ヶ崎がiPho◯eを手にし、
「野間と沢木どっち呼ぶ? なんならうちの委員長でもいいし」
まだ護には会いたくない
野間ならすぐに来てくれるけど。
風紀委員長は論外。
「遅い」
と、龍ヶ崎の指が画面をさわる直前に、
「龍ヶ崎でいいっ」
と、叫んだオレ。
「行くよ」
と、龍ヶ崎。
ベッドからおりたオレは、龍ヶ崎の後ろをついていく。
龍ヶ崎に手首をつかまれて、一緒に歩く。
まるで連行されているみたいだ。
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