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第66話 スマホがないのは不便

今日は週末のセックス漬けのせいで、体がつらかったけど精神的にもしんどかった。 ソファーに座ったら、どっと疲労感がおそってきた。 護のこと、どうすればいいんだろう。 家にはすぐに報告がいくはず。 オレに供人がいるのなら、護だけとは限らない。 彼のことだ。 他にもいるはずだ。 供人の存在を教えてもらっていないからといって、それを鵜呑みにした自分がバカだったんだ。 よくよく考えたら、彼がオレをのばらしにするはずがなかった。 自宅通学の初等部ではまだしも、全寮制になった中等部からでは彼の目が届かなくなる分、何人かの家の者が学園にはいるはずだ。  供人以外にも、逐一オレのことを報告させているんだと思う。 家から離れたここ(学園)で、狭い世界ながらも自由を満喫している、と勘違いしていた。 彼のことだ。 メインは護で、サブには最低でも2人はいるはずだ。 もっと予備軍を配置しているかもしれない。 護はオレに供人の存在がばれたから、外されるのか? それともメインからサブに降格か? 護がオレのそばからいなくなる。 …………それは断じて避けたい。 家からの指示は隠されて、そばにずっといた護。 桜井本家の命令には逆らえないのが、係累だ。 裏切られてきたけど、やっぱり離れるのは嫌だ。 いままで通りにはいかなくても、これまでと同様にそばにいて欲しい。 偽りの友達だったとしても、手放したくない。 家の指示で供人として動いてきたのなら、供人の主人であり、桜井本家の人間であるオレの意見を重要視させるまでだ。 家ではオレの権限なんてないようなものだけど。 外の血が混じっていようが本家の人間なわけで。 現当主の子供だから、行使しようと思えば使える力だった。 家に連絡をいれないと、すぐにオレから離されるかもしれない。 彼は迅速に冷徹に確実に行動する人だから。 でも、オレには甘いところがあるから、そこに漬け込むことが出来るはずだ。 あ、 ヤバい。 連絡手段のスマホ、いま手元にないわ。 いまから、教室にスマホを取りに戻るか? 野間が届けてくれるだろう夕方まで待つか? 解熱剤が効いてきたのか、考えがまとまらなくなってきた。 同時に急激に眠気もやってきた。 制服を脱いで。 パジャマに着替えて。 ベッドに入って寝なきゃいけない。 そう思うけど、しぜんとまぶたが閉じてしまって、開けられない。

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