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殺意と嫉妬
竜蛇はベッドから下り、ジャケットを脱ぎ捨てた。
「やはりお前はイイ。愛しているよ。犬塚」
「……殺す」
犬塚が向けた剥き出しの殺意を浴びて、竜蛇の方が我慢できずに犬塚に打ち込んできた。
腕でガードし、犬塚は痛めた肋骨を膝で狙った。竜蛇もギリギリでかわした。
しばし、激しい攻防戦が続いた。
お互いの息が荒くなる。
ほんのわずかな隙を逃さず、竜蛇が犬塚の片腕を捻りあげ、もう一方の腕で背後から犬塚を抱き締めた。
「ハァ……捕まえたぞ。ジャジャ馬め」
「……ッ!?」
抱き締められて、犬塚が気付いた。
竜蛇の体に染み付いた甘い香り、それに……
───濃厚なセックスの匂い。
犬塚の頭にカッと血が昇る。
先程までの冷静さを失い、めちゃくちゃに暴れだした。余りに暴れるので、捻りあげた腕が折れてしまいそうで、思わず竜蛇は腕を離した。
「犬塚?」
───こいつは、外で誰かとセックスをした脚で、そのまま自分のところに来たのだ。
犬塚の全身を殺意とは違う感情が駆け巡った。
それは、まぎれもない嫉妬だった。
犬塚は捨て身で竜蛇に飛びかかる。
「……くッ!」
思い切り体当たりをして竜蛇を床に倒した。マウントを取り、傷めた肋骨に拳を打ち込む。
計算する事を止めた犬塚の無茶苦茶な攻撃に竜蛇が戸惑う。
しかし、それも一瞬で、すぐに犬塚をひっくり返しマウントを取り返した。
犬塚の上に乗り上げ、手首を掴んで押さえつけた。
「……ハァ……ハァ……ッ」
言葉も無く、二人の荒い息遣いだけが響いた。
犬塚が顔を上げて、手首を掴む竜蛇の手に思い切り噛み付いた。
拘束している竜蛇の腕の力がわずかに緩んだ。犬塚は竜蛇の腕を振り払い、伏せになって逃げをうつ。
背中から竜蛇が覆いかぶさってきた。
犬塚が背後の竜蛇の肋骨に肘打ちをした。
「うっ!」
竜蛇は低く呻き、犬塚は再び竜蛇を引き倒し上に乗った。
二人は何度もマウントを取り合い、床の上で揉み合い、もつれ合った。
「……あ!」
そして、揉み合う最中に押し付けられた竜蛇の下肢の雄が、熱く勃ち上がっていることを教えられる。
犬塚の雄もまた……知らぬ間に硬く勃ち上がってい。
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