39 / 151
縄酔い
竜蛇の骨張った中指が後孔に入り、御座なりに解す動きをして、すぐに出ていった。
「……ぅうっ」
竜蛇の手が犬塚の尻の肉を左右に開いた。犬塚のアナルに、竜蛇は熱いペニスをあてがう。
「あっ……待って、まだ……!」
「犬塚。力を抜け」
ろくに解していない後孔に、イラマチオで狂暴なまでに高まった竜蛇の雄が埋もれていく。
犬塚は顔を横に向けて、竜蛇を見上げる。
「う、無理……待っ……あっ!……いやぁ、あ!」
メリメリと引き裂くように剛直が挿入される。
───うぁ! 裂けるッ……!
「ひぅ……あ!……ハッ、ハァ……はぅ」
犬塚は必死に息をして、後ろの力を抜いた。殊更ゆっくりと……竜蛇の雄は、まだ狭い孔に侵入してくる。
「ハァッ……あ、は!……は、はぅ…ふっ……ぐ」
一番太いカリ首の部分を埋めてしまえば、あとは飲み込まれるように、竜蛇の雄は犬塚のアナルに沈んでいった。
「あ、あ、はぁあ……ッ!」
犬塚の尻と竜蛇の下腹部がぴったりと密着した。とうとう竜蛇の雄に最奥まで貫かれた。
「いい子だ」
竜蛇は甘い吐息を吐き、結合部をそっと撫でた。
「あぁ! やめっ……ッ」
「必死に咥え込んで、キツく俺のを締め付けて……可愛いよ。犬塚」
「ぃや……や、あぅ……」
竜蛇はそのまま動かず、指先で犬塚の尻をくすぐるように撫でた。
「あ……はぁ、う……ぁあ」
羽毛のような愛撫に、犬塚はゾクゾクとして尻を震わせた。
「……ナカが蠢いている。すごいな」
「言うなッ……あ、やぁ!」
竜蛇は柔らかな愛撫を続ける。軽く爪で引っ掻くように、犬塚の尻を愛撫した。
「ひやぁあ……ぁ…やめ……ろ……あっ」
犬塚のアナルはうねりまくった。尻や腰、尾骨の上のあたりを引っ掻かれるたびに、アナルを締めてしまい、埋められた竜蛇のペニスをより生々しく感じた。
───ああ……嫌だ。こんな……
「あ、あ……はぁあ……」
犬塚のアナルは蕩けたようになって、竜蛇のペニスに快楽を与えた。
「もう……も……やぁ……」
犬塚の体内で竜蛇の雄がドクドクと脈打っている。犬塚のアナルの肉壁は淫らにうねった。
「あ……あ、あぁ……」
手足を縛られ、尻を高く掲げたまま、犬塚はゆるゆると尻を揺らし始めた。無意識だった。
竜蛇は唇に微笑を浮かべた。
犬塚の肉体は素直に竜蛇の熱を受け入れ、責めを求めている。
肉壁は竜蛇のペニスを締め付け、犬塚の腰は淫らに揺らめく。
しばらく犬塚の無意識の媚態を楽しんだ後、竜蛇は犬塚の腰を掴み大きく突き上げた。
「あぁああ───ッッ!!」
パンッと腰を打ち付ける音が白い牢獄に響いた。
「あっ! あっ! ぃや……あぁあッッ!!」
容赦無く突き上げられ、縛られた犬塚の裸身が前後に激しく揺れた。
散々焦らされた体は早々に根を上げた。
「あっ……いやっ、もぅ……イク……アアッ!」
ビクンっと大きく腰が跳ねて、犬塚は空イキした。尿道深くに玩具を突っ込まれたままなのだ。後ろでしか犬塚は絶頂できない。
「もうイッたのか? 早いな」
「ぁああ、待っ……動かな……あ、はぁああ!」
イッたばかりの敏感な体を休ませることなく突き上げ続けた。
「ああ! いやぁあ……だ、めぇ……あぁあッ」
「またイクのか?」
アナルから抜けるギリギリまで引き抜き、再び最奥まで貫く。大きく腰をグラインドさせた。
「……アッ! アッ!……違う……ひ、やだぁあ……ッ」
肉がぶつかる卑猥な音を立てて、大きく突き上げ、グリグリと奥の奥まで剛直で貫いた。
「ひ、ぁ! やぁああ……奥、嫌だぁ……ああぅ!」
「……はっ、嘘をつけ」
パンッパンッと激しく音を立てて、リズミカルに腰を打ち付ける。
「あっ……あっ…ああぁ、また……あ───ッッ!!」
再びビクビクと痙攣して、犬塚はドライオーガズムに達した。
「……ッ!」
肉壁の痙攣に竜蛇が悩ましく眉根を寄せた。
「俺はまだイッてないぞ。ひとりで勝手にイクな」
「違……言うな、あっ……あぁあ!」
竜蛇は犬塚の縛られた腕を掴んで、引き上げた。犬塚の顔がシーツから離れ、無駄な肉の無い背中が美しく反る。
「ひぃあ! あは、ぁあ……ぅあッ!」
膝だけで体を支える体位に、犬塚のアナルがより締まった。
「……いいぞ。犬塚」
「あ! あ! あぁああ───ッ」
苦しい体勢のまま、ガツガツと突かれて犯される。竜蛇の雄も絶頂を目指していた。
「あっ! はぁ……やぁ……うう! ひぃ、い! あ!」
戦慄く唇から、言葉にならない喘ぎを漏らして、犬塚も再び高まっていく。
「あぁあ、イイ……あ、だめ……だめ……あぅ」
「どっちだ、犬塚」
竜蛇が突き上げながら、低く笑いながら聞いてきた。
「ぃや……あっあっ……また、イクぅ……ああ、んんッ」
喉を反らせて、犬塚がまた絶頂に達した。
その締め付けに委ねて、竜蛇も己の欲を吐き出す。
二度三度と大きく突き上げ、犬塚の最奥に熱を叩きつけた。
「……ッ!」
「ひぃ、あぁあ───ッッ!!」
体の奥深くに放たれた熱に、犬塚は甘い叫び声をあげた。
「……あ、あ……はぁあ……」
竜蛇は欲望の証を吐き切り、小刻みに震える犬塚の体をそっとシーツに下ろした。
「……ぁう」
竜蛇はずるりと雄を抜く。
そして、犬塚の腕の縄を解いた。表に返し、脚を縛る縄も解いて解放した。
「……は、ぁ……あ」
犬塚の体はふわふわとしたような感覚に陥る。縄を解かれても手足を思うように動かせないのに、もどかしさよりも心地良さに酔った。
縄酔いをした体をぐったりとシーツに埋めて、ぼんやりと竜蛇を見た。
竜蛇は犬塚の目を見つめたまま、衣服を脱ぎ、見事な裸体を露わにした。
そして、胸を合わせるように犬塚を抱き締める。
竜蛇の肌、体温、合わせられた胸から伝わる鼓動の響きに、犬塚は安堵したような吐息を吐いた。
その心情は肌を合わせた竜蛇にも伝わっており、よりいっそう犬塚を愛しく思った。
「……犬塚」
「ん……ふぅ……」
唇を合わせ、舌を絡めて濃厚な口付けに酔う。
竜蛇の唇は、犬塚の首筋から乳首へと移り、下肢へと下がってゆく。
「あっ!」
ブジーを挿入されたままの犬塚のペニスをベロリと舐めた。
ゆっくりと回しながら、ブジーを尿道から抜いていく。
「あっ……やっ、あぁあッ!!」
抜かれた瞬間に犬塚は射精した。痩身がヒクヒクと震えた。
「いやぁあッッ!!」
イッたばかりの敏感なペニスを竜蛇に咥えられた。
「やめ、やめてぇ!……ひ! ああ……嫌、嫌ぁあ……やだぁあッ」
縄酔いをして、ろくに力の入らない犬塚は竜蛇の良いようにされてしまう。
濃厚なフェラチオで強制的に勃起させられる。
「ぅうう! あぁあ───ッッ!!」
犬塚が淫らに背をしならせ、立て続けての絶頂に叫び声をあげた。
「あぁあ……ああっ、あ、はぁああぅ」
犬塚は震えながら、全てを竜蛇の口内に吐き出した。ゆっくりと竜蛇は犬塚のペニスから口を離した。
はぁはぁと荒い呼吸をする犬塚にそのまま口付けた。
「んんうッ!?」
合わせた唇から、ドロリと今射精したばかりのモノが犬塚の口内に口移しされた。
唇を離した竜蛇が、すぐに手のひらで犬塚の口を塞いだ。
「お前がイキまくった証だ。自分で始末をつけろ」
「ふぐぅ! んんッ!!」
力の入らない手で、竜蛇の手を引き剥がそうともがくが、あまりにも弱く無意味で……
───ゴクリ。
犬塚は自分の精液を嚥下した。それを見て、竜蛇は手のひらを離した。
「……ゲホッ……ゲホッ!───んんッ!」
顎を掴まれ、再び口付けられた。
犬塚の口内に残る精液を互いの舌に塗り込むように、竜蛇は濃厚に舌を絡めた。
「……は、ぁあ……最悪だ……」
唇が離れると、犬塚は掠れた声で呟いた。
「最高だ。犬塚」
竜蛇は微笑み、甘く囁いて再びキスをした。
「可愛い。愛しているよ。犬塚」
夜はまだ長い。
「お前は俺のものだ」
「竜蛇……」
琥珀の蛇は甘く囁く。愛しいものを丸呑みにしてしまうように。
そして、もう一度。
蛇は捕らえた獲物の、犬塚の体内へと入り込んでいった。
ともだちにシェアしよう!