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縄酔い

竜蛇の骨張った中指が後孔に入り、御座なりに解す動きをして、すぐに出ていった。 「……ぅうっ」 竜蛇の手が犬塚の尻の肉を左右に開いた。犬塚のアナルに、竜蛇は熱いペニスをあてがう。 「あっ……待って、まだ……!」 「犬塚。力を抜け」 ろくに解していない後孔に、イラマチオで狂暴なまでに高まった竜蛇の雄が埋もれていく。 犬塚は顔を横に向けて、竜蛇を見上げる。 「う、無理……待っ……あっ!……いやぁ、あ!」 メリメリと引き裂くように剛直が挿入される。 ───うぁ! 裂けるッ……! 「ひぅ……あ!……ハッ、ハァ……はぅ」 犬塚は必死に息をして、後ろの力を抜いた。殊更ゆっくりと……竜蛇の雄は、まだ狭い孔に侵入してくる。 「ハァッ……あ、は!……は、はぅ…ふっ……ぐ」 一番太いカリ首の部分を埋めてしまえば、あとは飲み込まれるように、竜蛇の雄は犬塚のアナルに沈んでいった。 「あ、あ、はぁあ……ッ!」 犬塚の尻と竜蛇の下腹部がぴったりと密着した。とうとう竜蛇の雄に最奥まで貫かれた。 「いい子だ」 竜蛇は甘い吐息を吐き、結合部をそっと撫でた。 「あぁ! やめっ……ッ」 「必死に咥え込んで、キツく俺のを締め付けて……可愛いよ。犬塚」 「ぃや……や、あぅ……」 竜蛇はそのまま動かず、指先で犬塚の尻をくすぐるように撫でた。 「あ……はぁ、う……ぁあ」 羽毛のような愛撫に、犬塚はゾクゾクとして尻を震わせた。 「……ナカが蠢いている。すごいな」 「言うなッ……あ、やぁ!」 竜蛇は柔らかな愛撫を続ける。軽く爪で引っ掻くように、犬塚の尻を愛撫した。 「ひやぁあ……ぁ…やめ……ろ……あっ」 犬塚のアナルはうねりまくった。尻や腰、尾骨の上のあたりを引っ掻かれるたびに、アナルを締めてしまい、埋められた竜蛇のペニスをより生々しく感じた。 ───ああ……嫌だ。こんな…… 「あ、あ……はぁあ……」 犬塚のアナルは蕩けたようになって、竜蛇のペニスに快楽を与えた。 「もう……も……やぁ……」 犬塚の体内で竜蛇の雄がドクドクと脈打っている。犬塚のアナルの肉壁は淫らにうねった。 「あ……あ、あぁ……」 手足を縛られ、尻を高く掲げたまま、犬塚はゆるゆると尻を揺らし始めた。無意識だった。 竜蛇は唇に微笑を浮かべた。 犬塚の肉体は素直に竜蛇の熱を受け入れ、責めを求めている。 肉壁は竜蛇のペニスを締め付け、犬塚の腰は淫らに揺らめく。 しばらく犬塚の無意識の媚態を楽しんだ後、竜蛇は犬塚の腰を掴み大きく突き上げた。 「あぁああ───ッッ!!」 パンッと腰を打ち付ける音が白い牢獄に響いた。 「あっ! あっ! ぃや……あぁあッッ!!」 容赦無く突き上げられ、縛られた犬塚の裸身が前後に激しく揺れた。 散々焦らされた体は早々に根を上げた。 「あっ……いやっ、もぅ……イク……アアッ!」 ビクンっと大きく腰が跳ねて、犬塚は空イキした。尿道深くに玩具を突っ込まれたままなのだ。後ろでしか犬塚は絶頂できない。 「もうイッたのか? 早いな」 「ぁああ、待っ……動かな……あ、はぁああ!」 イッたばかりの敏感な体を休ませることなく突き上げ続けた。 「ああ! いやぁあ……だ、めぇ……あぁあッ」 「またイクのか?」 アナルから抜けるギリギリまで引き抜き、再び最奥まで貫く。大きく腰をグラインドさせた。 「……アッ! アッ!……違う……ひ、やだぁあ……ッ」 肉がぶつかる卑猥な音を立てて、大きく突き上げ、グリグリと奥の奥まで剛直で貫いた。 「ひ、ぁ! やぁああ……奥、嫌だぁ……ああぅ!」 「……はっ、嘘をつけ」 パンッパンッと激しく音を立てて、リズミカルに腰を打ち付ける。 「あっ……あっ…ああぁ、また……あ───ッッ!!」 再びビクビクと痙攣して、犬塚はドライオーガズムに達した。 「……ッ!」 肉壁の痙攣に竜蛇が悩ましく眉根を寄せた。 「俺はまだイッてないぞ。ひとりで勝手にイクな」 「違……言うな、あっ……あぁあ!」 竜蛇は犬塚の縛られた腕を掴んで、引き上げた。犬塚の顔がシーツから離れ、無駄な肉の無い背中が美しく反る。 「ひぃあ! あは、ぁあ……ぅあッ!」 膝だけで体を支える体位に、犬塚のアナルがより締まった。 「……いいぞ。犬塚」 「あ! あ! あぁああ───ッ」 苦しい体勢のまま、ガツガツと突かれて犯される。竜蛇の雄も絶頂を目指していた。 「あっ! はぁ……やぁ……うう! ひぃ、い! あ!」 戦慄く唇から、言葉にならない喘ぎを漏らして、犬塚も再び高まっていく。 「あぁあ、イイ……あ、だめ……だめ……あぅ」 「どっちだ、犬塚」 竜蛇が突き上げながら、低く笑いながら聞いてきた。 「ぃや……あっあっ……また、イクぅ……ああ、んんッ」 喉を反らせて、犬塚がまた絶頂に達した。 その締め付けに委ねて、竜蛇も己の欲を吐き出す。 二度三度と大きく突き上げ、犬塚の最奥に熱を叩きつけた。 「……ッ!」 「ひぃ、あぁあ───ッッ!!」 体の奥深くに放たれた熱に、犬塚は甘い叫び声をあげた。 「……あ、あ……はぁあ……」 竜蛇は欲望の証を吐き切り、小刻みに震える犬塚の体をそっとシーツに下ろした。 「……ぁう」 竜蛇はずるりと雄を抜く。 そして、犬塚の腕の縄を解いた。表に返し、脚を縛る縄も解いて解放した。 「……は、ぁ……あ」 犬塚の体はふわふわとしたような感覚に陥る。縄を解かれても手足を思うように動かせないのに、もどかしさよりも心地良さに酔った。 縄酔いをした体をぐったりとシーツに埋めて、ぼんやりと竜蛇を見た。 竜蛇は犬塚の目を見つめたまま、衣服を脱ぎ、見事な裸体を露わにした。 そして、胸を合わせるように犬塚を抱き締める。 竜蛇の肌、体温、合わせられた胸から伝わる鼓動の響きに、犬塚は安堵したような吐息を吐いた。 その心情は肌を合わせた竜蛇にも伝わっており、よりいっそう犬塚を愛しく思った。 「……犬塚」 「ん……ふぅ……」 唇を合わせ、舌を絡めて濃厚な口付けに酔う。 竜蛇の唇は、犬塚の首筋から乳首へと移り、下肢へと下がってゆく。 「あっ!」 ブジーを挿入されたままの犬塚のペニスをベロリと舐めた。 ゆっくりと回しながら、ブジーを尿道から抜いていく。 「あっ……やっ、あぁあッ!!」 抜かれた瞬間に犬塚は射精した。痩身がヒクヒクと震えた。 「いやぁあッッ!!」 イッたばかりの敏感なペニスを竜蛇に咥えられた。 「やめ、やめてぇ!……ひ! ああ……嫌、嫌ぁあ……やだぁあッ」 縄酔いをして、ろくに力の入らない犬塚は竜蛇の良いようにされてしまう。 濃厚なフェラチオで強制的に勃起させられる。 「ぅうう! あぁあ───ッッ!!」 犬塚が淫らに背をしならせ、立て続けての絶頂に叫び声をあげた。 「あぁあ……ああっ、あ、はぁああぅ」 犬塚は震えながら、全てを竜蛇の口内に吐き出した。ゆっくりと竜蛇は犬塚のペニスから口を離した。 はぁはぁと荒い呼吸をする犬塚にそのまま口付けた。 「んんうッ!?」 合わせた唇から、ドロリと今射精したばかりのモノが犬塚の口内に口移しされた。 唇を離した竜蛇が、すぐに手のひらで犬塚の口を塞いだ。 「お前がイキまくった証だ。自分で始末をつけろ」 「ふぐぅ! んんッ!!」 力の入らない手で、竜蛇の手を引き剥がそうともがくが、あまりにも弱く無意味で…… ───ゴクリ。 犬塚は自分の精液を嚥下した。それを見て、竜蛇は手のひらを離した。 「……ゲホッ……ゲホッ!───んんッ!」 顎を掴まれ、再び口付けられた。 犬塚の口内に残る精液を互いの舌に塗り込むように、竜蛇は濃厚に舌を絡めた。 「……は、ぁあ……最悪だ……」 唇が離れると、犬塚は掠れた声で呟いた。 「最高だ。犬塚」 竜蛇は微笑み、甘く囁いて再びキスをした。 「可愛い。愛しているよ。犬塚」 夜はまだ長い。 「お前は俺のものだ」 「竜蛇……」 琥珀の蛇は甘く囁く。愛しいものを丸呑みにしてしまうように。 そして、もう一度。 蛇は捕らえた獲物の、犬塚の体内へと入り込んでいった。  

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