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羞恥4
「……よくも……ひっ」
───パンッ!
再びキッチンに乾いた音が響いた。
竜蛇は無言で、何度も犬塚の尻を叩いた。
「やめっ……ぅあ!やめろっ……ああ!」
捲り上げたガウンの裾と縛った手首を纏めて上から押さえつけて、竜蛇は容赦なく犬塚を打った。
犬塚は痛みと羞恥に混乱していた。
涼は動じることなく、犬塚をじっと見ている。その視線に耐えきれなくなり、犬塚はキツく目を閉じて歯を食いしばる。
だが、尻を打たれるたびにくぐもったうめき声を漏らしてしまう。その声には愉悦の色が含まれていた。
「……うっ……ヒィ……あ!」
何度も叩かれた犬塚の尻は赤く染まり、熱を持ってじんじんと痺れたようになっていた。
その痺れすら、犬塚の体を熱く火照らせるスパイスになる。
「ぁ……ぅう……」
竜蛇は犬塚が大人しくなるまで、容赦なく尻を叩いた。
犬塚の抵抗する意思が薄れた頃、ようやく竜蛇の手が止まった。
犬塚はハァハァと息を荒げて脱力した。
「……あ」
竜蛇の骨ばった指が赤くなった犬塚の尻を撫でた。
その指の動きに犬塚は背をゾクリとさせる。そして、竜蛇の指はそのまま前に回った。
「はぁ、う!」
「もうこんなにして……」
長い指が犬塚のペニスに絡まる。そこはすでに硬く勃起していた。先は濡れており、クチュリ……と、粘着質な音を立てた。
「あ…ぁあ……」
犬塚はたまらず甘い吐息を漏らす。
「どうだ、涼。可愛いだろう。俺の犬は」
その言葉に犬塚はハッと正気に戻った。
そうだ。今は竜蛇と二人きりではない。
涼がいるのだ。
「そうね」
涼の声に犬塚は硬直して、そして必死に暴れ出した。
「は……離せ! 離せ、竜蛇ッ!!」
「涼に見られて感じているのか?」
「違う! もうやめろ!」
竜蛇はもう一度、体重をかけて犬塚を押さえつけた。
「伏せ、だ。犬塚」
まるで犬に対する躾のような言い草だ。犬塚の顔は屈辱と羞恥と、隠しようのない快楽がない交ぜになった表情に染まる。
嗜虐心をそそる、最高に淫らな表情だ。
「甘いのが好きなのか?」
竜蛇はボウルを引き寄せて、犬塚が泡立てていた生クリームをたっぷりと指に取った。
「何を!?」
「食べさせてやろう」
生クリームを纏った竜蛇の指が下がり、犬塚のアナルに触れた。
「ひ! やっ……やめろぉ!!」
後孔に生クリームを塗り込むようにして揉みながら、ゆっくりと指を埋めていった。
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