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外の世界3
尻の噛み跡を舐め回され、犬塚は甘く小さく鳴いた。
「幸人、欲しい……」と、名を呼ばれてねだられ、犬塚はゆっくりと体を起こした。
竜蛇の顔が見えるように体の向きを変えて見下ろす。竜蛇は欲望を宿した眼差しで犬塚を見上げた。
「俺が欲しいか?」
犬塚は竜蛇に跨って聞いた。
「ああ、お前が欲しいよ。幸人。愛している。俺はお前でなければ駄目だ」
その言葉に犬塚は満足した。竜蛇は犬塚に嘘はつかないからだ。
「……ん」
「は……幸人……」
犬塚は騎乗位の体位でゆっくりと竜蛇のペニスをアナルに咥え込んでゆく。
竜蛇の唾液で濡れたアナルに男根が埋まっていく感覚にゾクゾクした。
「あ、あ……あぅ」
ゆっくりと腰を落として根元まで咥え込んだ。腹の中が竜蛇の雄でみっちりと埋められている。
熱くて、硬くて。
犬塚は唇を震わせて甘い吐息を吐いた。
自分の下にいる竜蛇を見下ろせば、竜蛇は僅かに眉根を寄せて、悩ましげな眼差しで犬塚を見つめている。
抱かれながら、抱いているようだった。
「……動いて欲しいか?」
「動いてくれ。お前の好きなように……」
竜蛇の琥珀の瞳にゾクゾクとする。犬塚は竜蛇の引き締まった腹に手を付いて、腰を蠢めかせた。
「ああ……いいよ。幸人」
「あ……ああ……はぁ」
硬いペニスでアナルの肉壁を擦られる快感に犬塚は喉を反らせた。
たまらなく気持ちがいい。
犬塚は黒曜石のような瞳を潤ませて、竜蛇の上で腰を振った。
「あっ……あぁ……う、あ、あ」
犬塚の動きに合わせて、竜蛇も腰を突き上げた。犬塚のしなやかな裸身が淫らにくねる。
「……っ……幸人。解いてくれ」
「あ……ふ……っ」
犬塚は竜蛇を縛っていた腰紐を解いた。
すぐさま竜蛇の手が犬塚の細腰を掴み、下から大きく突き上げた。
「あぁああッ!」
それきり竜蛇は動くのを止めた。
犬塚は不満げに竜蛇を睨んだ。
「さあ、どうすればいい? 言ってくれ。幸人」
「……っ、動け」
「こうか?」
「は、あ!……もっと、強く……ああ!」
竜蛇は言われるままに、下から大きく突き上げた。
犬塚は突き抜けるような快感に仰け反った。竜蛇の上で揺さぶられながら、犬塚の手が竜蛇の手を掴んで己の胸に導いた。
「……さ…われよ……あっ!」
竜蛇の骨張った指が犬塚の乳首をきゅっと掴む。犬塚の後孔が竜蛇のペニスを締め付けた。
「あ……もっと、痛いくらいに……ああ!」
「こうか?」
ギリギリと爪を立てるように乳首を摘まれて、犬塚は軽く空イキしてビクビクと痙攣した。
「─────ッ !あ……あぁああ……ッ」
犬塚は脱力して竜蛇の上に倒れた。
まだ強い快楽の余韻に頬を竜蛇の裸の胸に擦り寄せる。
「……幸人」
竜蛇は犬塚を抱きしめ、くるりと体勢を入れ替えた。犬塚の足首を掴み大きく股を開かせて、今度は正常位で腰を揺らす。
「あ、あ、はぁあ!」
犬塚の背がしなやかに反り、潤んだ目で竜蛇を見上げた。その黒く美しい瞳に竜蛇は囚われてしまう。
「愛しているよ。幸人」
「し、のぶ……ああ……あ……」
犬塚が両手で竜蛇の頭を引き寄せてキスを求めた。竜蛇は犬塚と唇を重ねて舌を絡める。
犬塚を酔わせる甘い接吻だ。
犬塚は竜蛇を受け入れている。竜蛇に惹かれ、竜蛇とのセックスに甘く鳴いている。
だが、完璧では無い。
犬塚は竜蛇を求め始めているが……今、目の前にブランカが現れれば、犬塚はブランカを選ぶだろう。
それこそ尾を振る犬のように。
まるでインプリントだ。
親だと刷り込まれた雛鳥のように、犬塚はブランカを慕っている。
ブランカはどう思っているのか分からないが、まだ日本にいるというならば犬塚を取り返す気でいるのかもしれない。
親鳥の呪縛は強い。
どちらかを選べと問われれば、犬塚はブランカを選ぶだろう。
竜蛇にしては珍しく弱気な考えだった。
「あ……もっと……ああ……志信っ」
もっと求めさせたい。
今はまだ竜蛇の方が犬塚に溺れている。犬塚は実感していないが、支配しているのは犬塚の方だ。
竜蛇はもう犬塚を手放せないが、犬塚は今はまだ竜蛇を諦める事ができる。
「可愛い。幸人。俺無しではいられないようにしてやる……もっと飢えて、求めてくれ」
「あっ! は、あぅう……あぁ……志信……ッ」
犬塚の望むままに、竜蛇はそのしなやかな体を揺さぶり続けた。
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