136 / 151
誘惑3
「ん、ん……ふ、ぅあ」
「……本当に感じやすいね」
香澄の細い指が衣服の中に入り込み、佑月の柔らかな肌を撫でた。
「あっ、やめっ……ぁあ!」
「肌もすごく綺麗だ」
……こんなやつ、嫌いなのにっ!
香澄の唇と指が這う度に、佑月は抵抗する力を失っていく。それもそのはずだ。竜蛇の触れ方と同じだからだ。
香澄も客に抱かれる男娼だが、竜蛇に直々に仕込まれ、相手を快楽に溺れさせる技術を持っている。
抱く側に回る事などまず無いが、どうすれば相手が堕ちるのかは分かっていた。
「ぃや、あ……やめてよっ……は、あぁあ」
香澄の手が佑月の可愛いらしいペニスに触れた。佑月の華奢な体がビクッと跳ねる。
「いやだ! あっ……や、ダメダメっ!」
「もう濡れてるね。気持ちいい?」
「あ、やっ……だ……やだぁあ! なんでっ……お前なんかに……ぁあ!」
左右に首を振って身悶える。
「何故こんなやつに」と、心では拒んでも香澄のテクニックにくったりと身を任せてしまう。
「ぁ、あ、あ! いっちゃ……!?」
ふいに手を離された。もう少しでイキそうだったのにと、香澄を見上げると、妖艶な笑みを浮かべた美しい相貌が佑月を見下ろしていた。
「まだダメ」
「え……あっ」
香澄は佑月の服を脱がせ、全身を舌で愛撫する。繊細な舌の動きに佑月は淫らに裸身をくねらせた。
もともと快楽に弱い体だ。ナンバーワンの男娼のテクニックに抵抗もできず、佑月は自ら大きく股を開いて香澄を求めた。
「ああ、香澄ぃ、いれて……あ、いれてよっ。」
「いいの? 嫌じゃない?」
「いいっ、いいから、あ……いれて、あぁあ」
香澄はゆっくりと佑月のアナルに挿入した。佑月は香澄の細い腰に華奢な両脚を絡めて、さらなる快楽を求めた。
「あ、あ、きもちぃ……ああ、あぅうッ!」
「本当に……素直で可愛いね」
香澄は他の男とは違った。佑月の快楽だけを優先して、佑月の求めるままに、佑月の気持ちのいいところを執拗に責めた。何度も焦らされ、絶頂間際に寸止めにされて、佑月は香澄に淫らにねだり続けた。
「も、イキたいよぉ……お願ぃ……あ! ぅん、それっ、イイ! いくいく、いっちゃうぅ……香澄ぃ……あああッ!」
ビクビクと痙攣して、佑月は絶頂に達した。香澄は後孔からペニスを抜いた。
「はぁ……気持ちよかった」
「そう。よかった」
佑月は香澄を見て気付いた。香澄は射精していない。
「あ、香澄はまだ……」
「僕はいいんだ。佑月が感じて、イッてくれて嬉しい」
甘く囁いて、柔らかく佑月を抱きしめた。優しく髪を撫でられて、佑月はうっとりとしてしまう。
「ぼくを好きって……」
「好きだよ。ここにいる誰よりも佑月は心が綺麗なんだ。辛い境遇なのに、素直で無邪気で。君を見ているだけで心が満たされる」
香澄の言葉に佑月の鼓動が跳ねた。
ここに来てからは、容姿やセックスの良さを褒められることは多々あれど、心を褒められたのは初めてだった。
「ごめんね。無理矢理してしまって」
「……いい。き、気持ちよかったし」
佑月は赤くなって香澄の胸に顔を埋めるようにして、ボソボソと言った。
ともだちにシェアしよう!