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Ⅴ:1

 朝目を覚まし、直ぐに眩暈を起こす。  全身の怠さ、腰の痛み、そしてそれよりもっと激しい痛みを主張する…俺の下半身。  記憶はある。いや、和穂との部分だけは記憶が飛び飛びになっていた。何度も何度も気を失ったから。だが、その後からはしっかり記憶に残ってる。  和穂に与えられた痛みばかりの交わりとは大きく異なる、優しい、余裕のある、甘い交わり。だがそこに“愛”は無い。  幾ら死にたくなる程精神をやられていたとは言え、まさかそんなものに自分が縋るだなんて。男の…上代の玩具になることを、受け入れるだなんて。  アイツはただ単に、今の巻き込まれた状況を楽しんでいるだけだ。でも…だからこそ俺はその手に縋りたくなったのかもしれない。兄弟達の見た目に惑わされない上代なら、俺を…あの悍ましい混沌から引き上げてくれるんじゃないかって、そんなことを、俺は… (何やってんだよ…)  馬鹿げた妄想に、俺はただ頭を抱えた。

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