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Ⅶ:1
俺は血の繋がった弟を愛している。
目を塞いで、縛り付けて、いつだって俺を中に挿れたままに、その唇は俺以外を味わえないようにして、誰の目にも触れぬ場所に隠したい。
俺だけのものにしたい。
そうすることは案外簡単だ。
由衣のように脅し、和穂の様に押さえ付け犯せばいい。
少しの痛みと恐怖、それを払拭する快楽を与え堕とせばいい。
けど、それでは意味がない。
自由を夢見る鳥を飼ってしまえばいつか必ず逃げられるから。だからこそ、俺は。
「堕ちて来い、紫穂」
いつまでだって待つさ。
お前が自ら俺のもとへとやって来る、
――その時まで
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