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第2話

廉とは、小学4年の時に俺が廉のクラスに転入して出会った。 お互いの長所、廉のおおらかで優しいところと(あくまで廉が言う所の)俺の賢くかっこいいところを、それぞれいたく気に入り、磁石がくっつくように引かれあって親友になり、高校2年の今日に至る。運命の糸でガッチリ結ばれているのは間違いない。 その糸の色は赤ではないと思うのだが、廉はどうやら違うようだ。 「それを言うために、ここに呼んだのか」 うちの高校は、武道場を主に柔道部が使っている。畳敷きの専用道場があるせいか、柔道部は強い。全国大会にもちょくちょく出場する。廉が主将になった今年も県大会を順当に勝ち上がり、全国大会に行った。もっとも全国大会は1回戦負けだったが。 俺が主将を務める剣道部は、体育館で練習する。バレー部、バスケ部と共同で使用するため、使える時間が決まっている。いつも県大会止まりなのはそのせいだと、密かに思っていて、道場を思うままに使える柔道部に軽い嫉妬を覚える。 その道場に呼び出され、何を言うのかと思えば晴天の霹靂のような告白だった。 「慶生」 大型犬を彷彿とさせる憎めない顔で見つめてくる廉に、ぺたんと垂れた耳と盛んに振っている尻尾が見えたような気がして、思わず目をこすった。 「お、お前の、その、好きって言うのは、友情ではないわけか、やっぱり」 廉がガクガクと頷いた。

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